本の装丁『五分後の世界』と『東京奇譚集』。そして、「品川猿」
2018/01/11
さすがベストセラー作家ともいうべきか、村上春樹や、龍の本の装丁は、紙質もデザインも凝ったものが多いです。
だから息子も、私の本棚に収まっている本の背表紙で「いつも気になるんだよ」という本は圧倒的に春樹か龍の本が多いですね。
さすがに、まだ自力で読むには早いのか、中身は読んでいないようですが。
息子が一番気になる装丁は、村上龍の『五分後の世界』。
この本の装丁は、横尾忠則ですからね。
マイルスの『アガルタ』のジャケットも好きな息子ですが、もしかしたら横尾忠則のテイストが好きなのかもしれない。
滝の写真のコレクターというのは有名ですが、最近はY字路の写真にも凝っているみたいですね、横尾氏。
もしかしたら、Y字路の写真にも反応するかもしれない(笑)。
『五分後の世界』はどういう内容か知りたいか?と聞いたら、知りたいというので、簡単な概要を話したのですが、だんだん話している私のほうが熱を帯びてきてしまったようで、パラレルワールドの5分後の世界のアメリカに降伏していない日本のアンダーグラウンドの兵士がいかに強くてカッコいいかとか、非国民村で主人公の小田桐が時計を5分進める鳥肌もののラストシーンなどを熱っぽく語った私。
しかし、熱い私に反比例するように息子は引いてしまい、「もういいや」。
くそ~、面白いのに(涙)。
大きくなったら、読めよ(笑)。
ほかに気になる装丁は、村上春樹の『アフターダーク』。
この本もなかなか渋い装丁です。
それと同じぐらい気になるのが、『東京奇譚集』だそうで、表紙の真ん中に、つつつーと流れている赤い血が気になって仕方がないそうです。
この本は短編集です。
面白い話がいくつも掲載されています。
中でも、私が特に面白いと感じている「品川猿」を息子が寝る前に読んであげました。
「新宿鮫」じゃなくて、「品川猿」というマヌケ感が、脱力で面白いタイトルではあります。
もちろん、タイトルだけではなく、内容も面白いです。
名前を盗む猿、しかも人の言葉を話す猿が出てくる奇妙な話ですが、とても面白い。
朗読しはじめたら、私のほうがついつい熱中してしまって、結局最後まで読んでしまいました。でも、さすがにノドが疲れた(笑)。
「おっもしれー話。でも不思議な話」
そう息子は言って、そのまま眠ってしまいました。
記:2007/07/11