スタディ・イン・ブラウン/クリフォード・ブラウン

   

ブラウニー最初の1枚

クリフォード・ブラウン。
愛称はブラウニー。

「ブラウニーを知るならまずはこの1枚!」と断言しても良いほど、彼の魅力がたっぷりと詰め込まれたアルバムが『スタディ・イン・ブラウン』だ。

実際、これをを聴いてジャズを好きになった人も、私の周りには多い。

それは、トランペットがとても生き生きと、溌剌としているからだろう。

音色といい、フレーズの親しみやすさといい、整然として、かつ、メリハリのある演奏といい、どこを取っても非の打ち所の無いトランペッターだ。

ジャズを知っている、知らない。

ジャズに詳しい、詳しくないなどとは関係なく、リスナーの胸を打つ要素が充分揃っていると思う。

A列車で行こう

このアルバムには、聴かせるところはきっちりと聴かせる整ったアレンジと、歌心溢れるブラウニーのトランペットが目白押しだ。

彼のブライトなトーン、そしてストーリー性のあるアドリブの組み立てには破綻がなく、このアルバムを聴けば、彼は本当に素晴らしいトランペッターだということが実感出来るだろう。

オススメ曲を2つ挙げると、まずは、《A列車で行こう》だろう。

聴きどころは、出だし。
まるで蒸気機関車が出発する直前のようなワクワク感がある。
そして演奏の一番最後の部分。
ドラムのブラシが「カサカサ」とスネアドラムをさする音は、まるで駅に到着して、蒸気を吐き出して一休みをする汽車のようだ。

生き生きとした演奏も素晴らしく、楽しい気分、エネルギーを分けてもらっているような気分になれる。

歌心たっぷりのブルース

そして、もうひとつは《サンドゥ(サンデュ)》。

どこまでも陽性のオーラを放つクリフォード・ブラウン作曲のブルースだ。

彼のアドリブは、起承転結がハッキリとしている上に、すっきりと簡潔。

このナンバーのブラウニーのトランペット、自然と無理をせずに耳が追いかけることが出来るだろう。

そして、数回も聴けば、印象に残るいくつかのアドリブのフレーズを口ずさめるようになっているのではないかと思う。

分かりやすい楽器によるストーリー・テリングは、ジャズの初心者、マニア関係なく楽しめる内容なはず。

未聴の方は、是非、しっかりと耳を通しておいていただきたいブラウニーの代表作の1枚だ。

記:2009/05/04

album data

STUDY IN BROWN (Emarcy)
- Clifford Brown

1.Cherokee
2.Jacqui
3.Swingin'
4.Lands End
5.George's Dillemma
6.Sandu
7.Geoge's Dilemma
8.Gerkin For Perkin
9.If I Love Again
10.Take The "A" Train

Clifford Brown (tp)
Max Roach (ds)
Harold Land (ts)
Richie Powell (p)
George Morrow (b)

1955/02/23 #3,4,7,9
1955/02/24 #5,8
1955/02/25 #1,2,6

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