「勝負」考
ようやく、シゴトのドタバタも終焉を向かえつつあります。
毎月のことですが、締め切りギリギリに雑誌、校了!
今回も「勝った!」というよりは、「生き残った!」という感じ。
「うまくいった!」というよりは、「なんとかなった」という感じ。
でも、いいんです。こういうことを、何十回と繰り返していると、大事なことは「勝ったり・負けたり」にこだわるのではなく、「負けずに続ける」ことなのです。
「勝つ」「負ける」はそのときの運も作用しますが、「負けない」状態をキープし続けることは、実力とアタマの勝負。じつは、一番難しいことなのかもしれない。
そして、大袈裟に言っちゃうと、これがそのまま私の人生観に繋がっていると思う。
私の人生、振り返ってみると「こりゃ負けたワイ」と思うこと、たくさんあるんだけれども、それで致命的なダメージを負ったことはありません。
トータルで見れば、「大きな勝ち」っていうのもあんまり無いかもしれないけれども、ボロボロ&ズタズタに傷つくほどダメージを負った「負け」ということもありません。
100点はないけど、0点もないということです。
「そこそこ」というと言い方悪いけれども、自分としては、平均すれば「そこそこ以上」の状態をキープし続けることがもっとも大切なことだと思います。
「そんな人生面白かねぇよ」という方もいらっしゃるだろうけれども、「激動の面白い人生」は、映画や、ドラマや、小説や、歴史上の人物や、週刊誌のネタになるような人々に歩んでもらうことにして(笑)、私は彼らの生き様を作品として、あるいはエンターテインメントとして味わい、楽しませていただきます(笑)。
深く追い求め過ぎて、ドツボにはまるのが最悪。
武田信玄の
「およそ軍勝五分をもって上となし、七分をもって中となし、十分をもって下と為す。その故は五分は励を生じ七分は怠を生じ十分は驕を生じるが故。たとへ戦に十分の勝ちを得るとも、驕を生じれば次には必ず敗るるものなり。すべて戦に限らず世の中の事この心掛け肝要なり」
の精神で自分を戒めたいものです。
だから、「平均点68~79点」のレベルのキープを続けたい私。もちろん、最初から70点は狙いません。
最初から70点狙いは、結局40点ぐらいで終わってしまう。もちろん、100点狙いです。
理想と現実のギャップは常にあるもの。
100点狙って、70点でも私は落ち込まないし、むしろ、30点の差を考えたり反省したりして、次に生かすほうが建設的だと思っています。
だから、1回コッキリの勝負には向いていないタイプかもしれません。
パチプロや競馬のプロの話によると、「要は1ヵ月のトータルの収支が黒字になるようにし、その黒字で生活できればプロ」なのだそうですが、そうなんです、1回の勝ち負けはさほど重要ではないのですね。
ギャンブルなんですから、負けることもあるし、勝つこともある。
全部勝つなんてことはありえない。
しかし、最終的には、黒字収支になるよう、勝負の配分を調整する。
コレが大事なような気がします。
最近の私は、少々老獪になってきたところもあり(笑)、負けてもダメージを負わない出来事に関しては、わざと負けてみたり、間違ってみたりすることもあります。
そのときの相手のリアクションや、そのことが引き起こす現象、結果を観察し、経験値を増やそうという魂胆(笑)。
小さい勝負に負けることによってデータを増やし、大きな勝負に勝つための布石にするのです。
なにがなんでも、すべてにガムシャラにエネルギーを費やすのではなく、サボれるところでは、思いっきりサボってエネルギーを消耗させない。そのかわり、大事なことにはエネルギーを全力注入する。
このエネルギーや力の配分って重要な気がします。
とくに、私のような怠け者には(笑)。
▼米長邦雄氏の著書。
人間における勝負の研究 (祥伝社黄金文庫)
高校生のときに読んだのですが、今読み返すと、読後感には大きな違いがありました。
記:2006/12/18