東北~山陰、親子で気ままな旅行記
今週の月曜日から金曜日までのお盆明け、平日の5日間を利用して、息子と二人で、ふらりと、東北→山陰地方の青春18きっぷを利用した気ままな旅をしてきました。
1日目
まず、最近、一人暮らしがキツクなり、老人ホームに入居した祖母を見舞うため、新幹線で水沢江刺に行きました。
環境の良い施設で、親切な介護をしてくれているスタッフの皆様に挨拶をし、
元気そうな婆ちゃんの顔を見たあと、さて、これからは新幹線や特急・急行列車なしの各駅停車での旅のはじまりです。
水沢→盛岡→大曲→秋田→酒田
この日は酒田で宿泊。
夜に到着したので、地元の店はほとんど閉まっていたので、仕方なく空いている居酒屋で息子と遅い晩飯を食っていたのですが、急に雨が降り出して、まいったまいった。
各停の旅の出発地点は、南部鉄器の故郷、水沢。
吉田戦車もたしか、水沢高校出身だったような……
酒田の地元居酒屋にて。鮭とキャベツとバターたっぷりのチャンチャン焼き。
2日目
酒田→村上→新潟→吉田→柏崎→直江津→富山→金沢
金沢で宿泊。
前日の雨で列車が徐行運転、あるいは運休になるなど、大幅にダイヤが乱れ、柏崎でかなりの足止めを食らいましたが、柏崎の町をグルリと回れたので、それはそれで良かった。
>こんなに晴れてるのに、長岡からやってくるはずの列車は突如、雨で運休。柏崎にて。
とにかく空き時間は、本を読む読む。準備した5冊はあっという間に読みつくされ、終点の駅に到着するたびに買い足すハメに。
3日目
富山→福井→敦賀→京都→園部→福知山→豊岡→浜坂→鳥取→米子
鳥取で宿をとるつもりが、駅前どのホテルも満室。
あわてて最終の米子行きに飛び込み、米子で宿泊。
この日が一番移動したんじゃないかな。
本当は、敦賀から若狭湾沿いに走る小浜線でのんびりと行きたかったのですが、
時間と本数の関係で、鳥取に行くには接続が悪いことが分かり、急きょ京都に南下し、京都からの嵯峨野観光鉄道に乗って、山陰本線の玄関、園部にアクセスしました。
鳥取では砂丘に登り、予想以上に巨大な丘陵に圧倒されました。
>近代的な金沢駅に隣接する建物
山陰線に乗ったあたりから、「よっしゃ、雨から逃げ切った!」。が、ふたたび、鳥取あたりで雨に追いつかれ……
写真じゃ決して伝わらない丘陵の巨大さ。クリック拡大すると、山のテッペンの人が見えると思うんだけど、その小ささから丘陵の巨大さが、……分からないか(笑)
前方は海、背後には防砂林と、たしかにホンバの砂漠に比べれば箱庭の中の砂場に過ぎないのかもしれないが、それだけにサハラやゴビなどホンマモンの砂漠のスケールの圧倒的さが想像でき、行きたくねぇなぁ~と思った(笑)。
4日目
米子→境港→米子→出雲市→新実→倉敷→岡山
かねてから訪問してみたかった鬼太郎生みの親、水木しげるの故郷・境港市を訪問し、町をあげての徹底した鬼太郎づくしの景観に大笑いしてしまいました。
米子駅がねずみ男駅、余子駅がこなきじじい駅といったように、駅の名前も妖怪の名前があてがわれているし、電車もねずみ男号や、鬼太郎号など、それぞれキャラクター別にペイントされている。
町のいたるところに、水木しげるの描いた妖怪のブロンズ像があり、土産物も鬼太郎のお菓子やグッズ一色。
ラーメン屋は当然、鬼太郎ラーメン(マグロラーメン)だし、パン屋は鬼太郎パンでした。
食べてみたら、鬼太郎の脳みそが栗アンで、顔の中がクリームでした(笑)。
その後、出雲大社に。
巨大な鳥居や、5トンもあるというしめ縄に圧倒されつつ、お参り、蕎麦と食べて時間の関係で、早々に離脱。
ここは時間があれば、2~3日は滞在したい町ですねぇ。
ワイナリーもあるし、博物館もあるし、大社近くにある竹内まりあの実家の老舗旅館にも泊まってみたいし。
あ、あと、割子蕎麦はうまかった。
毎年10月にはこの地で蕎麦コンテストが行われるそうで、蕎麦を食べ比べするために、出雲に旅行してみたいなぁ、……なんて贅沢な妄想を抱いてしまいました。
それはそうと、旅4日目のこの日より、そろそろ帰ることを考えなければならなくなりました。
息子は翌週より学校がはじまるし、学校がはじまる前の土日は習い事などがあるため、なんとしても、5日目の夜には東京に帰らなくてはならない。
なので、せっかく山陰本線の半ばまで来ておきながら、山口県まで足を伸ばすことはあきらめ、、伯備線で表日本、岡山に南下することにしました。
伯備線は、出雲市と岡山を結ぶ2両編成のローカル線ですが、この日本列島を縦に縦断する路線は、いやまぁ、そのノンビリとした走りっぷり、15分、9分停車などはザラのノンビリっぷりは楽しめたなぁ。
本当、山と河ばかりの景色なんだもんなぁ。
改めて、日本は山の国なんだということを再認識。
今や、ネットと電話とファックスがあれば仕事出来るんだから、山々に囲まれたこのような、なーんもない土地で、一日中ジャズとクラシックを聴きながら生活するのも悪くないなーと、思ったりもした(笑)。
鬼太郎づくし、というより、水木しげる作品に、これでもか!と彩られた町、境港。
私が大好きな妖怪「べとべとさん」です。かわいい。でも、アップはエイリアンみたい(笑)。
出雲大社の鳥居のしめ縄は5トンもあるんだってね。はるか遠方に、白くて巨大なもう一つの鳥居。
出雲で、毎日、ワイン飲んで、蕎麦と食って、ジャズ聴きながら、生活するのも悪くないかも(笑)。
5日目
岡山→相生→姫路→大阪→千日前→大阪→名古屋→東京
岡山からまっすぐ、山陽線、東海道線を乗り継ぎ、ストレートに東京に戻っても良かったのですが、それだけじゃつまらない。
将来お笑い芸人になりたいとう息子には、ぜひお笑いのメッカ、NGK劇場(なんばグランド花月)を見せてあげたかった。
大阪は、息子が赤ん坊のころからしょっちゅう仕事や遊びで同伴させているので、息子にとっても、今回で5~6回目の訪問だけど、千日前は初めて。
吉本の前のたこやき座でたこ焼きを食べ、息子は「グランド花月」の売店で、
ナベアツの3の倍数のボタンを押すとヘンな声が出る電卓を買いゴキゲンでした。
再び、大阪から各停で名古屋へ。
車内は週末の旅行者と、学生と主婦で満員、けっこう熱い。
熱いといえば、名古屋の山本屋の味噌煮込みうどんだ!
よし、味噌煮込みを食べるために名古屋で途中下車だ!
ということで、息子にとっては初めての(私にとっては懐かしい)味噌煮込みうどんを食べました。
なんだか夕方の名古屋駅は、買い物おばちゃんと、放課後学生と、忙しそうに歩いているサラリーマンの坩堝。
彼らを見ているうちに、ゆるゆるモードな気分が急きょ東京モードに。
もうノンビリと各停に乗ってられっかい!
と、セカセカ根性がよみがえってしまった私は、えーい、もう帰りは新幹線じゃーい!と新幹線で東京まで戻りました。
それにしても、夕方は、数分おきというすさまじい頻度で新幹線が入線してくるんですよ。
しかも、どの車両も、出張とおぼしきサラリーマンでいっぱい。
ホームもサラリーマンだらけ。
こんな暑い中、上着も脱がずにネクタイを締めて、重たい荷物を持ち、ひっきりなしに携帯で連絡をとりあったり、場所構わずノートPCを広げているビジネスマン。
上司に弁当とビールを「どうぞ、買ってきました」と使いっぱしている部下。
東京駅に着いたら着いたで、もうホームはネクタイしめたサラリーマンでごった返している。
ほんと、頭が下がります。
御苦労さまです、と思いました。
日本の産業、流通、金融を支える名もなき戦士たちを素直に称えたいと思います。
だいたい早起き
この5日間、ほとんど、朝は5時起き(息子はいつも私より30分遅く起床)。
6時か7時には電車に飛び乗り、1日中電車に揺られながら、度重なる乗り換え、乗り換え、そして夜は、早くて9時、遅いときは11時にようやく移動から解放されて宿探し。
いきあたりバッタリの旅なので、当然ホテルの予約はしておらず、場所によっては、10軒のホテルが満室で、なかなか泊まる場所が定まらない!というような
イイカゲンな私の行程に、文句ひとつ言わずに、いやむしろ楽しそうに重い荷物を背負いながら息子は、よくついてきてくれました。
わずか数日の間ですが、駆け足とはいえ、日本のかなり色々な場所や景色を見せているので、これらが息子の今後の成長の糧となってくれると良いのですが……。
どこに行っても、山、やま、ヤマ。海と山の国なんだなぁ、と改めて実感。
余談
名古屋で買って食べてみた「日本一弁当」という名のひつまぶし。
お茶がないと、しょっぱくて、しょっぱくて、うーん、厳しい……!
食べたい人は、お茶、あるいはお湯も忘れずに!
記:2008/08/23