ロジック・システムの《ユニット》と昭和の映像のマッチングがカッコいい
ロジック・システムと昭和のモノクロ映像
私の宝物といっても良いほど大好きなアルバムの一つに松武秀樹(Logic System)の『ロジック』があります。
《ドミノ・ダンス》や《ロジック》など、キャッチーな代表曲も収録されているのですが、これらの曲々はたしかにカッコいいのですが、数回聴いちゃうと飽きちゃうんですよね。
今では数年に1回聴いて興奮するぐらい。
しかし、飽きることなく「カッコいい」ナンバーもあります。
1曲目の《イントロ》から2曲目の《ユニット》になだれ込む「流れ」。
まず、これがカッコいい。
中学生のときに、このレコードを初めて聴いた時は、本当に頭をガツーンとハンマーで殴られたほどのインパクトでした。
特に《ユニット》のアンドロイド的な女性のヴォイスと、この曲の基調をなす怪しげなアルペジオ、そしてシャープなハイハットの音が「未来」を感じさせるに十分で、まだ一般家庭にコンピュータもない時代(数年後にMSXやPC8801などが登場)に生きる下町中学生にとっては、刺激に満ちあふれたサウンドでした。
ところが。
先ほど私は「未来」と書きましたが、この音楽に合わせた「過去」の映像がミックスされた動画をYouTubeで発見してしまいました。
まさに、「戦後日本」の風景と、ロジックシステムの融合。
この映像は、昭和20年代でしょうか、30年代なのでしょうか?
いずれにしても、リー・コニッツが、あの今だに超近代的なニュアンスをたたえた演奏が収録されている『サブ・コンシャス・リー』が録音された年よりは後の映像だとは思うのですが、昔の日本って、まるで別の国のようです。
(私が感じる)近代的な音と、(私が感じる)前近代的な映像をマッチングさせるセンス。
動画をアップされた方のセンスって、スゲーッて思う次第なのであります。
そして、改めてヴィジュアルの強さを思い知りました。
映像が音に加わると、まったく別の「意味らしきもの」が生じてきてしまうのです。
たとえ、自分が思い描く音の風景とは違ったものであっても、「こういうのもアリだよね」と思えてしまうから面白い。
考えてみれば、ジャズのアルバムのジャケットも、いや、ジャズ以外の音楽のジャケットも、中身の音のイメージを決定していることが多いので、やっぱり改めて、ヴィジュアルって強いのだな〜と思った次第。
面白そうだから、私もYouTubeにトライしてみようかな。
自分だったら、この映像にどんな音楽を当てはめてみるだろう?
エリック・ドルフィーの《ザ・プロフェット》なんかどうだろう?
>>アット・ザ・ファイヴ・スポット vol.1 /エリック・ドルフィー
凶暴にノスタルジックで、強引に叙情的な側面のある演奏、さらには、この演奏自体が「超時代的」なので、けっこうシュールな内容になるのかな?と。
そういえば、ドルフィーの音って、色々と合いそうだ。
《アウト・ゼア》や『アウト・トゥ・ランチ』の曲なんかも合いそうだな。
そんなことを妄想するのも楽しいものです。
記:2015/08/10