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ジャズと映画と本の日々:高野雲

メンタリストDaiGoの「お金」と「仕事」の本

   

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「好き」を「お金」に変える心理学

数あるDaiGo本の一冊

メンタリストのDAIGO氏は、最近すごい勢いで本を書いているようで、書店によっては平積みのコーナーまで出来ているところもありますね。

そういえば、以前はテレビでよく見ていたけれども、最近はあんまり見ないな~と思っていたら執筆のほうに活動をシフトしていたようです。

だいぶ前だけれども、ホリエモンとのババ抜き戦で余裕で勝利をおさめたり、大島優子が座る椅子の番号を当てたりと、なかなか凄い人だったよな~ということを思い出して、とりあえずコーナーの平積みの中から手にとった一冊『「好き」を「お金」に変える心理学』を読んでみました。



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主張はいたってシンプル

本書に書かれている骨子は、まさにタイトルどおりです。

254ページの内容を、余分なところをカットして濃縮・凝縮してしまえば、「あなたが好きなことを選択し、そこにお金を集中して使っていると、あなたの稼ぎ方に磨きがかかり、結果的に収入が増えていくというサイクル(無限ループ)を作りましょう」ということになります。

つまり、主張の大筋は、本田健氏の「大好きなこと仕事にしよう」というものと変わることなく、それほど目新しいものではありません。

大好きなことをしてお金持ちになる Forest2545新書

しかし、「好きなことを仕事にしよう(お金に変えよう)」というシンプルな主張を、エビフライの中身にある細いエビの身だとすると、そこにまぶされる衣(ころも)の部分は、書く人の守備範囲によって変わってくるわけで、DaiGo氏の場合は、心理学の知識や、行動経済学、ウォーレン・バフェットの考え方などがエビフライの衣の部分になるわけです。

それが本田健氏の場合だったら、投資の話が中心になり、私の場合だったら(?!)ジャズの話がエビフライの衣になるわけで、それぞれの人が持つコアコンピテンシーによって、100人いれば100通りの「大好きなことを仕事にしよう本」が出来るんじゃないかと思います。

とはいえ、私ごときのジャズの話になんて誰も興味を持つわけもないわけで、そこは、かつてテレビのバラエティなどでお茶の間を沸かせたメンタリストのDaiGo氏のキャラクターがあるからこそ、「面白そうだ、読んでみよう」ということになるのでしょう。
実際、私もその一人ですから。

エビと衣(ころも)

「毎月働いて得られるものと同じ給料が働かなくても自動的に振り込まれるようになったとしても今の仕事を続けられるか?」

この問いにイエスと答えた人は、すでに夢中になれる好きなことを仕事にしているので、その能力をお金に換える努力をすれば良し。
しかし、そこまで言い切れない大多数の人は、自分が夢中になれる仕事(分野)を見つけましょう、そのための方法や考え方を教えます、というのが、この本(エビフライ)の大きな衣(ころも)の一つといえましょう。

おそらく、自分探し(古い?)をしている人にとっては参考になる内容なのではないかと思います。

また、好きなことをマネタイズする(お金に換える)考え方にも紙数を費やされていますが、この内容は、過去に出版された様々な自己啓発書に書かれていることなので(「返報性の法則」など)、個人的には目新しさは感じなかったけれども、ビジネス書、自己啓発書をあまり読んだことがない若い世代の人にとっては参考になる内容になることでしょう。

くわえて、重要なところは太文字になっていて、さらに青色のマーカーまで引かれているため、これはビジネス&自己啓発本初心者にとっては親切な作りかもしれませんね。

もっとも、タイトルの「お金」という言葉にビビッとくる人も少なくないとは思うけれど(私もそうでした)も、好きなことをみつけた後の具体的な換金方法やテクニックは本書には書かれていませんので、念のため。

もちろん、それは当然で、人それぞれ「好きなこと」は違うわけですから、いちいち森羅万象の職業の稼ぎ方のノウハウなどを掲載できるわけもなく、本書は、あくまで「そのための考え方」、つまり思考パターンを手に入れましょうという内容です。



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学生や若い社会人向けなマイルドテイスト

終始、マイルドな語り口で書かれており、文章も平易で明快。ビジネス書や自己啓発書を読み慣れている人だったら、1時間ぐらいで読めてしまうことでしょう。

このへヴィにならずにサクッと読めてしまう匙加減は、読者ターゲットを考えた上でのことかもしれないし、編集部からのアドバイスからもしれません。

特に、「好きだと言い切れる何かを持っていますか?」という問いかけと、「好きだと言い切れる何か」を持てば、お金を生む無限ループを手に入れられる可能性があると読み取れる主張は、ちょっとマイルド過ぎるというか、学生や社会人一年生向きな内容に感じてしまい、やはり想定ターゲットは20代の読者層なのかもしれませんね。

読者の対象に対する「好きさ」の度合いを「毎月働いて得られるものと同じ給料が働かなくても自動的に振り込まれるようになったとしても今の仕事を続けられるか?」という言葉で表現しているのだろうけれども、本当にその道(好きな道)で食っていこうと思ったのなら、その程度じゃまだまだ甘いと思うんだよなあ、と感じてしまうのです。
もちろん、それで食えていけちゃう人もいるんでしょうけど。

世の中そんなに甘くはない

というのも、やっぱり好きなことを見つけて、その好きなことを活かした仕事やキャッシュポイントを見つけたとしても、永続的に好況は続くことはマレで、やっぱり波というものは必ずあるからです。

そして、下り坂、あるいはドスンと転落したあとでも、続けていこうという覚悟があるかどうかが問題なわけなんだけれども、「好きだと言い切れるか否か」だけの判断では甘いと思うわけで。

一例を挙げるとすると、知り合いのジャズ喫茶の店主は、「よしジャズで食っていこう!」と決めたら、本当に趣味だけではなく商売として真剣にジャズというものと向き合うようになり、商売を続ける中、当然のように商売が下り坂の時代もあったそうですし、そういうときは、家賃も払えず「払えなければ出ていくしかない」ということもあったそうです。
しかし、そのような状態が訪れても、メゲることなく、続けるだけの腹がすわっていたからこそ、難局を乗り切れることが出来たわけで、「好きと言い切れま~す!」程度の覚悟で「では、その職業はあなたは向いています」といわれて「お~、俺は向いているんだ」と安易に喜ばないほうが良いとは思いますね。

この得意なこと(好きなこと)で、会社を独立、起業して、成功したり、失ったり、規模が大きくなるごとに現出するトラブルが発生したり、うまく乗り切ったはいいけれど、新たな問題が発生したりと、起業した人が必ずといって良いほど通る道をわかりやすくストーリー仕立てにして書かれた神田昌典氏の『成功者の告白』は、ベタではあるけれども分かりやすく感動的な物語なので、ご一読をおすすめします。

長期目線を持つ必要性

もっとも、書かれていることは至極まっとうなことばかりです。

特にダニエル・カーネマンの行動経済学を引き合いに出した「長期目線」の発想についての記述が随所に記述されており、これは知らない人は参考になるはず。

だいたい、詐欺に引っかかる人とか、短期間でお金が儲かりそうな話に飛びつく人って、短期目線な人が多いからね。
つまりは刹那的。
今、この瞬間とか、明日とか一週間後とかあるいは数ヵ月後に大金持ちになっている自分を夢想する(宝くじとかもそうだね)。

しかし、長く時間をかけて自分や商品やコンテンツを育てるという発想を持ったほうが、結局はリスクは低い上に、長期で安定して収益が得られることはたしか。

この発想を身につけるヒントになるだけでも、読む価値はあるんじゃないかなと思いました。

特に、何か得意技や好きなことがあるわけでもなく、漠然と将来はビッグになれると根拠なき自信だけは人一倍な若い人にはぜひ読んでもらい、本当にビッグになる手がかりやヒントを得て欲しいと思います。

記:2017/11/17

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