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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

そばのかす/矢野真紀

      2017/12/12

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そばのかす

《うず》に惚れた!

矢野真紀の「そばのかす」は良いアルバムだ。

ベースが、あの亀田誠治だから、という、ただそれだけの興味で買ったアルバムだから、正直、最初に聴いたときは歌にも歌詞にもピンとこなかったんだけれども、特に出だしの《アオシス》でちょっと引いたんだけれども(ありきたりな励ましソング的な歌詞の内容に)、でも、しばらくしたら《うず》に惚れた!

《うず》はいいよ。

《うず》をキッカケに、《真夜中の国道》とか、《ネジと愛》も好きになって……、と少しずつ領域が広がっていき、いまでは、ファイヴァリットなアルバムの1枚に。

どちらかというと、潤いの少ない乾燥したパンのような無愛想さを感じる歌い方ですが、内面には湿ったソウル(って書くと悪いことみたいだけど、誉め言葉です)を感じさせるヴォーカルです。

椎名林檎経由で矢野真紀を好きになった人は、皆、《大きな翼》が好きね。
たしかに、出だしのギターとヴォーカルには「おっ、カッコいい!」と期待させるものはあるけれども、個人的には、サビあたりになると、なんだかアリキタリな平凡さを感じる。
もちろん良い曲なんだけど、なにも独特なアクを持っている矢野真紀が歌わなくても、いくらでもこの手の歌を歌う歌手はいるでしょ?って気分になるんだよね。

それもすべて《うず》のせい。
《うず》のアンサンブルのインパクトとオリジナリティが、あまりに強烈なので、《大きな翼》のようなキャッチ―な曲が、通常以上に平凡に感じてしまうのでしょう。

とにもかくにも、この矢野真紀の『そばのかす』というアルバムは、時々思い出したように聴くと、なんだか小料理屋のカウンターで、カボチャの煮つけや、野菜の煮物を食べて、じんわりと染みてくるような、そんな至福な気分を味わえるのです。
声や歌詞から生活感が滲み出ているからかな??

なんだか、中野・高円寺・阿佐ヶ谷系のアマチュア学生ミュージシャン(ヴィレヴァン大好き系)が、手作りで作った自主製作アルバムのようなジャケットなので、そのセンスに「B級自己満足系??」と引いてしまう人もいるかもしれませんが、さにあらず。

なかなかの芯の太いタフな声、音楽なのです。

収録曲

そばのかす (EMIミュージック・ジャパン)
- 矢野真紀

1. オアシス
2. 真夜中の国道
3. お天気
4. 大きな翼
5. うず
6. タイムカプセルの丘
7. ネジと愛
8. 青空に浮かぶは白い月
9. 夢を見ていた金魚
10. 君の為に出来る事
11. 明日 (MAKIGAME□Ver.)

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