【三文日記】2000年11月
2024/04/24
11/1(wed)
朝飯に激辛カレーパン、昼飯に辛口チョリソ-入り激辛カレーランチと、昨日からカレーばかりな食生活。
ふと、三代目魚武濱田成夫の、
お前の作ってくれた
カレーライス喰ったあと
カレーせんべいを
ボリボリ喰っとる俺を見て
お前が笑った
お前も喰うかと
俺がカレーせんべいをさしだすと
あたしは、いいよとぬかしよった
ふん。しょせん
その程度やねんな
お前のカレー好きは
俺は、まだこの後
カールのカレー味
喰うつもりや(角川文庫『俺様は約束していない事を守ったりする。』収録「カレー」)
を思い出した。
別冊宝島編集部編『戦う将棋指し2』読了。
11/2(thu)
Y嬢と六本木のおでん屋。
のち、バックステージでで呑み。
寺山修司『競馬場で逢おう』(宝島コレクション)読了。
11/3(fri)
某サイトが、ホームページの批評とコンテストへの登録を行っていたので、応募してみたところ、早速批評のメールが返ってきたので目を通すと、曰く、「接続料が勿体ないので2~3のコンテンツしか見ていない」上での批評だそうで、「ジャズに興味の無い人間は二度と訪れてみようと思わない」「初心者をグッと引き込む魅力的で簡潔な文章を用意しなければならない」「コンテンツが多く、文章が長いとやはりメルマガに頼るしかない」のだそうデス。
2~3のコンテンツしか読まずに「サイト批評」の風呂敷を広げるのも中々大したものだとは思うが、まぁどうせタダだしリンクも張ってもらえたし、最初から「俺様」に興味の無い人が「かふぇもん」を訪れた時には、こういう感想を持つのかもしれないな、という意味では非常に参考になった(のかもしれない)。
結婚記念日、今日で5年目。
11/4(sat)
カラヤンの最晩年のベルリンフィルのコンサートのDVDを買う。
曲は俺が大好きなチャイコフスキーのピアノコンチェルトで、ピアノは女房がファンだったというエフガニー・キーシン。
結婚祝いということで、いつものイタ飯屋でディナー、シャンパンとワインのボトルを空け(息子も飲みやがった…)、鰯のパン粉と香草焼きや、スカンピとズッキーニのタリオリーニサフラン風味など。
11/5(sun)
バックステージにてオフ会。
カラオケ、ジャズ&椎名林檎の演奏など。
オフ会の度に思うのだが、別にドタキャンするのは構わないが、参加を表明した人間は連絡の一本ぐらい店なり俺なりに(言いやすい人にではなく)よこせよな、来るのを待っている人もいるわけだし、店だって「ボランティア」じゃなくて「営業」で貸し切りにしてくれているワケなんだから、参加人数を気にするのは当たり前、という当たり前なジョーシキ以前なことも分からないシャカイヂンがいるのには参ったぜ、と、愚痴を書いておく。
参加者
あんじゅ、こてこて、こん、C98、沈夢、男爵、東京ローズ、月光、螢博士、みよ、ゆか(以上ハンドルネーム)
11/6(mon)
保育園から息子が熱を出して調子が悪いとの連絡があり、女房を迎えに行かす。
座薬で少しは落ち着いた模様。
珍しく寄り道せずにまっすぐ帰宅し、ライブ用の《幸福論》のベースラインを何パターンか考える。
11/7(tue)
お世話になっているデザイン事務所の社長と、コルトレーンやエヴァンスのパネルが飾ってあり、店のBGMがジャズの小料理屋へ行き、えぼ鯛や大根の煮物を食べながらジャズの話で盛り上がり、私が学生時代にアルバイトをしていたジャズ喫茶に移動してターキーを飲みながらジャズと夜間戦闘機の話で盛り上がり、メキシコ料理屋に移動して、コロナを飲みながらジャズの話で盛り上がった。
ジャズに造脂の深い人(所有レコード3,000枚だそうデス)と、ジャズの話題で盛り上がったのは本当に久しぶりだし、とても良い酒だった。
彼からハンプトン・ホーズの『ハンプス・ピアノ』のCDを頂き、帰宅後、オススメの《枯葉》を聴いてみたら、これがまた、なかなか良いのだ。
11/8(wed)
Y嬢と渋谷で餃子丼。
先日いただいた『ハンプス・ピアノ』を聴くが、良い。
私が所有しているのは、コンテンポラリー盤の2枚のみだったのだが、この時代に比べると、録音のせいもあるのだろうが、ピアノの音が非常にふくよかで、タッチもせかせかしていずに、落ち着いて観賞できる。
11/9(thu)
椎名林檎の《ここでキスして》のベースラインを 週末に行うライブ用にアレンジ。
久々にビリ-・ホリデイのアルバムの中では最もお気に入りの『ストリ-・ヴィル』を聴く。
遠藤周作『深い河』(講談社文庫)読了。
11/10(fri)
身の周りには、痰がからんだような咳をしている人が多いので、伝染されないよう気をつけなければと思う。
ギリギリ終電で帰宅。
カサンドラ・ウイルソンの『ニュー・ムーン・ドーター』。
break
11/11(sat)
Y嬢、家に遊びに来る。
ていうか、午後から女房が家を留守にするので、一人で子守りするのは心もとないのでベビー・シッターになってもらおうと思って俺が呼んだ。
一週間近く風邪を引きずってグズりがちだった息子も、可愛いおねーさんがいる間は、よそ行きスマイルを振りまきまくり、こちらとしては助かった、助かった。
11/12(sun)
ヴォーカルとベースによるデュオのユニット「さかなやさん」のライブを六本木バックステージで行う。
チャイナ服を着た中国人女性のヴォーカルに、シーケンサーの自動演奏を操作する男性という組み合わせのユニットが出演した後に、女性ヴォーカルにベースの生演奏という我々が出演したので、「自動演奏」に対しての「生演奏」、「機械」に対して「人力&肉」な感じが出て、ステージの流れの中では鮮やかな対比になったと思う。
Q君がハンディカム、Y嬢がデジカメで演奏模様を撮影してくれたが、二人とも堅実かつ大胆な、中々にセンスの良いカメラワークだった(感謝)。
11/13(mon)
渋谷にて、スタン・ゲッツが、まだ新人だった頃のチック・コリアをサイドメンに従えた『Sweet Rain』と、吉沢元治のベース・ソロ『割れた鏡または化石の鳥』を購入。
本来ならば、今日は出版社勤めのプラモ&妖怪マニアが集う飲み会の日だったのだが、思わず仕事が長引き、結局徹夜。
溝口敦・森田靖郎 他著『ヤクザという生き方 中国人マフィア来襲』(宝島社文庫)読了。
11/14(tue)
女房の誕生日。
よく行くイタ飯屋で、カジキ肉のレタス巻き、オレンジのリゾット、ブロッコリーとホタテのパスタ、鴨肉の赤ワイン煮込みなどなど。
ことに鴨の赤ワイン煮込みは、その肉の驚くべき柔らかさといい、ソースの旨さといい、本当にほっぺたが3回は落ちるぐらい滅法旨かった。
11/15(wed)
仕事が予想していたよりもスムースに片付き、9時過ぎには帰宅することが出来た。
室伏哲郎『大追跡!現代の海賊』(宝島社新書)読了。
深夜、ボリュームを絞ったスピーカーから低く流れてくるは、いつものようにスタン・ゲッツかグラント・グリーン。
11/16(thu)
夜食用に確保しておいたカラムーチョ、帰宅したら息子に半袋以上喰われていた。
朝飯用にとっておいたカレーパンも半分食われていた。
舌大丈夫か?と思うのだが、女房によれば、辛いものをひとしきり喰った後は豆腐とヨーグルトとドリアを平らげたそうだ。
11/17(fri)
六本木でY嬢と呑み。
バックステージはオジさんたちのセッション大会の様相。
オヤジギャグ連発のMCとビートルズにGS(グループ・サウンズ)のオンパレード。
11/18(sat)
午前中、息子とドラッグ・ストアまで買い物、というかお散歩。
今年のボジョレーを飲みに来いとのことで、夕方、俺の実家へ女房&息子と遊びに、というか飯を喰いに行く。
帰宅後、体調を崩した息子の嘔吐&グズりが深夜まで続き、疲れた。
11/19(sun)
息子が人の声で「ワン!トゥ!スリー!フォー!」とカウントをとるメトロノームにウケていたので、一緒にリズムに合わせてパーカッションの練習をさせる。
おでん。
S嬢から借りた『Je taim. Moi non plus』を観る。
11/20(mon)
女房、本日より仕事再開。
ここのところ遣い過ぎのタクシー代をケチって、終電で帰宅。
寺澤芳男『英語オンチが国を亡ぼす』(新潮OH!文庫)読了。
11/21(tue)
エルビン・ジョーンズとウイントン・マルサリスが新宿のピット・インで共演したアルバムを購入。
コルトレーンの『至上の愛』をやっているが、どうしても「あの旋律」を聴くとラッパではなくて、テナー・サックスの音色が欲しいなと思うのは単に慣れの問題?
別冊宝島編集部編『宇宙とは?―古今東西「宇宙論」のすべて』(宝島社文庫)読了。
11/22(wed)
息子、猛烈な勢いで味噌汁を3~4杯も飲みまくる。
いくら好物とはいえ、ちょっと異常だなと思って見守っていたら、夜中に大量にゲロを吐き散らかし、一晩中グズられたので女房と二人で寝不足気味。
安本美典『新説!日本人と日本語の起源』(宝島社新書)読了。
11/23(thu)
区の体育館で催される運動会に息子を連れていくはずだったのだが、昨晩の「グズり」で3人も朝からヘロヘロ状態、参加を断念。
うす味のタラコ・スパゲッティと、じっくり煮込んだ野菜スープを作ったら息子に好評だった。
『花の慶次』の単行本2~6巻、『SAKON』1巻、『魁!!男塾』文庫版の8巻、池上遼一の『信長』の1巻、『エリア88』の14巻など部屋の隅に転がっていた漫画をコルトレーンの『ヴィレッジ・ヴァンガード』をBGMにウイスキーを啜り、カラムーチョと食べながらランダムに読み漁る。
11/24(fri)
部屋の奥で埃を被っていた『コルトレーン・レガシー』を久しぶりに鑑賞。
エルビン・ジョーンズのドラムは映像で観た方がその凄さが分かるような気がするし、このビデオは個人的にはコルトレーンではなくエルビンを観るための映像だと思っている。
ドルフィーの突き刺すようなアルト(インプレッションズ)はいつ聴いて(観て)も新鮮な衝撃。
11/25(sat)
息子に、リンゴ・スターモデルのスティックと、スティックケースを買ってあげる。
秋葉原のラオックス楽器館のスタジオで、いくつかの椎名林檎コピーバンドの集まりがあったので息子と出席して、来年のライブの日取りの打ち合わせと(決まらず)、セッションをした。
夕食は近所のドイツ料理の店で、アイスバイン、ソーセージ、ロールキャベツ、ベーコンなどが具に入ったドイツ鍋ババリア風(オジヤにするとまた旨し)を女房&息子と。
11/26(sun)
息子が大好きな薄味の野菜スープと、薄味の明太子パスタを昼飯に作ってあげる。
良い天気、散歩。
写真集『ちんかめ』(宝島社文庫)、三島瑤子・藤田三男編『写真集三島由紀夫 '25~'70』(新潮文庫)、『男塾』文庫版8・9巻などをランダムに捲りながらウイスキーと煎餅。
11/27(mon)
隆慶一郎の『一夢庵風流記』を読んでいるが、滅法面白い。
四ツ谷でY嬢とイタ飯屋、そしてメキシコ料理屋。
チック・コリアの《スペイン》、バド・パウエルの《クレオパトラの夢》、カサンドラ・ウイルソンの《奇妙な果実》などが大音量で流れる店内、客は我々だけという贅沢空間。
11/28(tue)
寒いが、空が深くて綺麗。
朝から腹が減り、出勤前で吉野家で「朝定」。
御飯、味噌汁、漬け物に、鮭、納豆、卵、海苔がつくというまるで旅館の朝飯のようなメニューで490円と、中々お特。
11/29(wed)
Geoff Keezer Trio『World Music』。
Leroy Vinnegar Quintet『Leroy Walks Again!!』。
たっぷりと脂がのった鮭のトロ、そして皮の表面を炭火で軽く炙った、サーモンの寿司をたらふく。
11/30(thu)
久々に吉祥寺の「ホープ軒」へ行きチャーシュウ麺。
独りでよく行くバーへ行き閉店まで呑み。
隆慶一郎『一夢庵風流記』(新潮文庫)読了。