雑想 2000年7月

      2023/07/15

オルレアンの噂

一時期まことしやかに囁かれた噂に、

香港で新婚(ツアー?)旅行中の女の子が試着室に入ったら行方不明になり、娘の行方を案じた親は、日本のヤクザの裏ルートを通じて娘の居場所をつきとめてもらうが、現地の見世物小屋で再開した娘は、腕と足を切断されたダルマ女さながらの変わり果てた姿だった

というものがある。

これは、フランスの「オルレアンの噂」という、ユダヤ人の店で女の子が行方不明になるという、社会学的にも有名な話の変種で、団体旅行のツアコンがツアー参加者が勝手な行動をとらないための戒めに使った話に過ぎないのだそうだ。

「口避け女」「割り箸を持った朝鮮人」などといった、近くて遠い、未知なものに抱く我々の恐怖感から生み出される共同妄想(?)は、幽霊目撃談よりも、はるかにリアリティがある分、怖い。

※参考文献:西本健一郎『間違いだらけの海外個人旅行』

記:2000/07/15

1969 マイルス

マイルスのある意味最強メンバーが揃っていたにもかかわらず正式なスタジオ録音がない、いわゆる幻の「ロストクインテット」による『1969マイルス』。

これは凄い。

本当にすごい。

特に、冒頭の《ディレクションズ》がすごい。

何がすごいって、ジャック・ディジョネットのドラムが凄い。

この迫力にはいつも打ちのめされる。

猛然!

それだけに、途中のゆっくりめの4ビートで演奏される《マイルストーンズ》には、ちょっと拍子抜けしてしまう。

正直なところ。

しかし、べつに《マイルストーンズ》の演奏がタルいというわけではなく、それだけ《ディレクションズ》が凄いということなのだ。

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ソニーミュージックエンタテインメント

>>1969マイルス/マイルス・デイヴィス

マイルス 新人賞

マイルス・デイヴィスは1946年に『ダウン・ビート』誌にて新人賞を受賞している。

それから3年後の49年、『メトロノーム』誌恒例の人気投票では、トランぺッター部門で堂々の3位を獲得。
その時の1位はディジー・ガレスピー、2位はファッツ・ナヴァロだった。

強く生きる

強く生きる、というと、マンガや映画の主人公みたいで勇壮でカッコいいかもしれないが、それは満身創痍になることも覚悟しなければいけないといことが自動的につきまとう。

だから、ボロボロになることはイヤな私は、強く、よりも、ユルく生きたい。

しかも、たんにユルいだけではなく、しなやかに、したたかに。

それはそれで難しいかもしれないけれども、それが私にとって理想の生き方。

チェロキー ベースライン

《チェロキー》は、アップテンポで演奏されることが多い。

聴いているぶんには、エキサイティングで楽しめる曲なのだが、実際演奏するとなると、これがまた♩=300近くの高速テンポで演奏されているバージョンもあり、これはも大変、大変。

ベースのランニングが狂ってしまったら、演奏自体も崩壊しかねないという、非常にチャレンジングな曲でもある。

演奏の土台を支えるベースが、ブレることなくテンポをキープし、さらに音の選択でミストーンを出すことなく他のメンバーをサポートするためには、やはり相当量の練習が必要だ。

アップテンポで演奏するには、その場その場で即興でベースラインをつむいでいくのは、最初は不可能に近い。
よって、最初の段階は1コーラスはきちんとベースラインを丸暗記してしまい、ソラで弾けるようになってから、少しずつ音を変えていき、オリジナルなベースラインを形作っていくほうが、この曲攻略の近道だと思う。

なので、まずは、まるまる1コーラス分のベースラインを覚えてしまい、それを安定したアップテンポで弾けるようになってしまおう。

ベースラインは『実例ジャズ・ベースランニング104』の1巻に掲載されているベースラインが良いだろう。

とても分かりやすく、整然としたベースラインなので、練習の際には格好の教材になりうる本だ。

まずは♩=200のテンポでブレなく弾けることを目標としよう。

まず、この曲の最初の4小節のコード進行は、

B♭|B♭|Fm7|B♭7

だ。

このベースラインをまずは完全に弾けるようにしよう。

『実例ジャズ・ベースランニング104』によると、最初の4小節のベースラインは、以下のようになっている。

|B♭D E♭E♮|F F# G F#|F G A♭ A|B♭A♭G F|

とりあえず、最初の4小節は絶対に間違えたくないよね。

好調なスタートを切って、勢いに乗りたい。

だから、最初のとっかかりだけでもスムースにメトロノームの50あたりから始めて、少しずつテンポを上げていき、200くらいまでに軽々いけるようにしよう。

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オライオン メタリカ リフ

メタリカの『マスター・オブ・パペッツ』(なぜか邦題は『メタル・マスター』収録のインストが好きだ。

そう、《オライオン》。

欧文表記は「ORION」なので、「オリオン」と呼んでいたんだけど、日本語版には「オライオン」と表記されている故クリフ・バートンのインストナンバーだ。

中盤のメロディアスな展開は、個人的には可もなく不可もなくだが、前半、後半の数か所にはさまれる変拍子のリフが大好きで、頭の中でそれが鳴り出すと、しばらくは鳴りやまないほど中毒性の高いリフだ。

付けたしたかのように、♪ザッザカ、ザッザカ。

強引に押し込むかのように、♪ザッザカ、ザッザカ。

もう、たまりません。

マイルス ディア・オールド・ストックホルム

マイルス・デイヴィスはブルーノートに《ディア・オールド・ストックホルム》の初演を残している。

スタン・ゲッツに影響されたのかと思いきや、彼のこの曲を教えたのは、当時、彼と同じホテルに住み、かつブルーノ―トのレコーディングにも参加しているピアニストのホレス・シルヴァーだったのだという。

マイケル・ジャクソン オフ・ザ・ウォール

『スリラー』や『バッド』だけがマイケル・ジャクソンじゃないのだよ~。

ソウル好きな人にとっては、むしろ『オフ・ザ・ウォール』のほうがツボにくるのでは?

▼収録曲
1. Don't Stop 'Til You Get Enough
2. Rock With You
3. Workin' Day And Night
4. Get On The Floor
5. Off The Wall
6. Girlfriend
7. She's Out Of My Life
8. I Can't Help It
9. It's The Falling In Love
10. Burn This Disco Out
11. Don't Stop 'Til You Get Enough (Michael Jackson's original demo recording)
12. Working' Day And Night (Michael Jackson's original demo recording)
13. Interview with Quincy Jones and Rod Temperton

幽霊

hitokage

幽霊は見たことがないが、「見なかったこと」ならある。

学生時代の折、夕暮れどきの冬の雪山をバイト仲間8人が2台の車に分乗して移動中のときのこと。

私以外の7人が「夏の祭に着るときのような浴衣を着て提灯を持った幼い女の子」を目撃している。

2月の雪が降り積もった山の道路に、「夏の浴衣姿にマリ」っていうのもヘンだが、本当にその場に女の子がいて、私だけが見なかっただけなのかもしれないし、私を騙すために口裏を合わせたタチの悪い冗談なのかもしれない。

もっとも全員の「いたよね?!」「やっぱり見た?」と口々に言い合う青ざめた顔から察するに、冗談のようには思えなかったが……。

あるいは、私だけがハイウエイ・ヒプノシス(高速道路催眠現象)にかかっていなかった、ということも考えられなくもない。

だが、あれこれと理由を無理矢理ひねり出すよりも、「自分が"見なかった"のは幽霊だったのだ」と考えたほうが不思議と腑に落ちるし、スッキリと納得出来ることは確かだ。

ま、昔からその手の怪奇現象や心霊現象とはまったく無縁なんですが(とはいえ怖がりです)、追求すればするほど面白い世界ではあるんだけれどもね。

記:2000/07/27

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