ホレス・パーランのピアノがやっぱりヤバい

   

奄美大島の高良さんも言及しているけれども、
ジャズは不良の音楽だ

やっぱり、ホレス・パーランのピアノは、ジャズが持つダークでヤバい部分をわかりやすく体現していると思うんですよね。

濁りのあるタッチと、曇った和声感覚。

これは、彼が小児麻痺ゆえに、少ない指(片手3本ずつ)しか使えないということが大きいのだろうし、それゆえに生まれた奏法、タッチなのでしょうけれども、それが聴き手の耳をグイッと鷲づかみをして離さない何かを持っています。

特に『ヘディン・サウス』の《ロウ・ダウン》なんて、ヤバいよ。

執拗に繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返されまくる「3音」のトリル。

一体何回やってるんじゃ~!てっぐらいの執拗さは、マディ・ウォーターズのギターも顔負けなほどの迫力かも。

これには、シカゴブルースファンも「うぐっ!」と「クる」ものがあるのではないでしょうか?

『ヘディン・サウス』は、彼の代表作『アス・スリー』の影に隠れてあまり知られていないアルバムかもしれませんが、『アス・スリー』が好きな人はぜひ。

ピアノトリオにパーカッションが加わっているぶん、アーシー度がより一層増しているのです。

▼収録曲
1. ヘディン・サウス
2. ザ・ソング・イズ・エンデッド
3. サマータイム
4. ロー・ダウン
5. コンガレグレ
6. プレリュード・トゥ・ア・キス
7. ジム・ラヴズ・スー
8. マイ・マザーズ・アイズ

記:2016/05/09

 - ジャズ