風船怪獣バルンガが好きだ。
2022/06/16
『ウルトラQ』には、好きな怪獣や好きなストーリーが多いのだが、風船怪獣バルンガが登場するエピソード、第十一話も好きな話のひとつだ。
まだウルトラマンのような正義のヒーローが登場しないので、必ずしも出現した怪獣は倒されるわけでもなく、問題がスッキリ解決しないまま話が終わることもあるのだが、「風船怪獣バルンガ」もその一つ。
バルンガの造形も不気味で好きだし(色がついてしまうとちょっと興ざめだけど、モノクロで東京タワーの上空にただようバルンガは不気味カッコ良い)、巨大化してゆくバルンガに対して成すすべもなく見守る人々の姿も良い。
また、子ども向け番組の体を装い、じつは「高度経済成長」を続ける日本を暗に批判しているのではないかと深読みできるところも良い。
また、劇中ラストの禅問答のようなセリフも好きだ。
単に「異物」を排除してスッキリ&サッパリのカタルシスなストーリーが多い後番組の『ウルトラマン』に比べると、バルンガのようなモゾモゾとした不気味な不安が後を引くようなストーリーはなかなか秀逸だと思うのです。
「明日の朝、晴れていたらまず空を見上げてください。そこに輝いているのは太陽ではなく、バルンガなのかもしれません……」
ま、子どもには受けないのかもしれないけど。
記:1999/03/25
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