ザ・ランプローラー/リー・モーガン
いなたいテイストのジャズロック
《月の砂漠》のジャズ版で有名なアルバムだ。
しかし、私の場合は、威風堂々としたジャズ版《月の砂漠》よりも、タイトル曲の《ランプローラー》のほうが気になって仕方がない。
一言で言えば、「いなたい」感じの曲だ。
《サイドワインダー》の二番煎じ的な、いわゆる“ジャズ・ロック風”のリズム。
この古臭さがなーんとも愛らしくて好きなんだな。
ビリー・ヒギンズ!
ロニー・マシューズのこてこてなピアノがダサさとカッコ良さの紙一重。そこがまた、いい感じのの古き良きロックンロールなテイスト。
タイトル・クレジットを見ると、なんと! 作曲者はアンドリュー・ヒル!
ヒルもこんなキャッチーな曲を書くんだ!
テーマ冒頭のビリー・ヒギンズの「バン!」が利いている。
たった一音で、これほどまでに効果的なドラムも珍しい(笑)。
《サイドワインダー》と同様に、きらびやかでアタックの強いリー・モーガンのトランペットに、ひしゃげた曲線を描くジョー・ヘンのテナーの対比が良いアクセントとなっている。
ブルーノート4100番台最終のアルバム。
私にとっては、リー・モーガンの“リ”の字も知らないジャズ初心者だった頃に、ジャケットに描かれたネジくれたロゴのデザインのかっこ良さに惹かれて購入した、思い出深いアルバムでもある。
記:2003/05/28
album data
THE RUMPROLLER (Blue Note)
- Lee Morgan
1.The Rumproller
2.Desert Moonlight
3.Eclipso
4.Edda
5.The Lady
6.Venus Di Mildew
Lee Morgan(tp)
Joe Henderson(ts)
Ronnie Mathews (p)
Victor Sproles (b)
Billy Higgins (ds)
1965/04/21 #1-5
1965/04/19 #6