ジョージ・デュヴィヴィエの「変態性」が垣間見えるピアノトリオ
バップナンバーできわだつ特異性
普通っぽいんだけど、よく聴くと、なんだか微妙にヘン。
このように、そこはかとなく「変態」を感じるベーシストといえば、わかりやすいところでいえば、スティーヴ・スワロウがそうなのでしょうが、もっと、じっくり聴かないと、なかなか、そのベーシストの変態性(もちろん褒め言葉です)が気付きにくいタイプのベーシストといえば、やはり、ジョージ・デュヴィヴィエなのではないでしょうか。
パウエルとも合わせられるし、ドルフィーのバックでも違和感なし。
すごくオーソドックスに聴こえるのですが、やはり微妙にどこか匂ってくるものがある。
デュヴィヴィエは、独特な美意識を持っているんでしょうね。
ハンク・ジョーンズのピアノトリオ作品、『バップ・リダックス』では、ハンクの折り目正しいピアノを百点満点のベースワークで支えてはいるのですが、それだけでは終わらない。
そこはかとなく醸し出るデュヴィヴィエならではの自己主張にも気付くと面白い。
演奏されているナンバーが、《ヤードバード組曲》や、《コンファメーション》などのバップナンバーが中心のため、かえって、デュヴィヴィエのセンスが露になっているんですね。
もちろん、ハンク・ジョーンズを代表するピアノトリオではあるのですが、デュヴィヴィエ・ベースを追いかけるというマニアックな楽しみ方も出来るアルバムなのです。
記:2015/05/15