超時空メルヘン「ババジ君」第15話
第14話の続きです。
ババジ君は、大きな物体の後部から中に進入することに成功しました。
物体の中はとても暗く、金属だらけの大きな箱の中に入ったようです。
日が差してこないので、中はヒンヤリと心地好いです。
さぁて探検するぞ、とババジ君が思った矢先、突然、ババジ君がついさっき入ってきた入り口が、ウィーンという音とともにふさがってしまいました。
ノー・ウェイ・アウト。
「出口なし」です。
一方、産土号の中。
ユニワノイナホは独り言を言っています。
後部ハッチを閉めたので問題は無いな。一応機体の点検ぐらいはしておこうかな。長い距離を飛んできたわけだし。
帰りに故障なんてしようものなら、あの隊長のことだから目をむいて激怒するんだろうな。
別に俺のせいじゃないけどさ、機体整備士が悪いんだよな故障したら。
でも、隊長が戻ってきて、お前は今まで何をやってたんだ~、と怒鳴られるのもイヤだから一応、エンジンルームだけでも見ておこうかな。よっこらしょっと。ユニワノイナホは操縦室を出て、エンジンルームに向かいました。
ハックション!!隊長はまたクシャミをしました。
いかん、いかん、私としたことが。
どうやらこの廃屋は使えそうだな。
ちょっと匂いは気になるが、それはしょうがない。そこらへんに散らばっているワラでも盟神探湯号にかぶせておけば、誰も気がつかないだろう。そう、それからこの暑さ、どうも我慢がならん、飛行用の与圧服は脱いでおこう。これを着てたんじゃ街の中で目立ってしまい、かえって作戦行動の支障になる。
隊長は飛行服を脱ぎ、盟神探湯号と一緒にワラの中に埋め、徒歩でデリーに向かいました。
つづく
⇒第16話
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