私が好きなブルーノート5枚

      2016/11/06

blueblack

その昔、東芝EMIから出ていたブルーノートのCDのライナーには、ミュージシャンや、ジャズを愛好する著名人による、「私が選ぶブルーノートの5枚」なる企画ページがあって、そこを読むのが結構楽しみだった。

5枚にはとても絞りきれないが……と前置きをする人が多かった(笑)。

中には、枚数を無視して思いついた限りのアルバムを列挙する人もいたし、潔く3枚ぐらいの枚数に収めていた人もおり、リストアップされるラインナップも楽しみだったが、紹介の仕方にその人のパーソナリティが現われていて、なかなか味のあるコーナーだった。

私も、早く有名になって、自分が好きなアルバムをリストアップしつつ、偉そうにコメントしてみたいなぁという気持ちもあった(笑)。

しかし、このコーナーは無くなってしまった上に、私はいまだに無名ないち小市民なので、勝手に「オレの好きなブルーノートの5枚」を挙げちゃおう。

ただし、「好きな」というよりは、「ただ好きなだけではなく、ブルーノートらしいな」と感じている5枚を挙げてみる。
そうしないと、5枚じゃとても収まらないし(笑)。

たとえば、パウエルの最初の2枚や、マイルスの2枚、それにブレイキーの『バードランドの夜』にファッツ・ナヴァロのセッションなどの初期ブルーノートのレコーディングは大好きなアルバムには違いないが、とくに、パッケージがブルーノートだから好きというよりも、演奏内容、ミュージシャンで好きなアルバムなので、外した。

これらのアルバムは、極端な話、レーベルがサヴォイやプレスティッジでも思い入れは変わらない。

しかし、これから挙げる5枚は、ブルーノートだからこそ素晴らしいアルバムになっただろうし、ブルーノートの匂いが濃厚に漂い、かつ演奏も素晴らしく、私がアルバムの隅から隅まで口ずさめるほど聴きこんだものばかりだ。

私が感じるブルーノートの匂いとは、すなわち肉厚かつ“ほの蒼い”ニュアンス。

肉厚というのは、アルフレッド・ライオンのイメージした音をルディ・ヴァン・ゲルダーの録音技術が具現化した、あの独特の中域に凝縮されたエネルギー感だ。

とくにテナーサックスが肉厚に感じる、美味しそうな音(笑)。

さらに、ほの蒼さ。
ほの暗い、ほの暗さ、という言葉はあるが、ブルーノートのサウンド(特にこれから挙げるアルバムには)、暗さというよりは、ダークな蒼みがかった独特の風情がある。

青、ではなく、蒼、なのだ。

明るい青ではなく、沈んだブルー。シアンにブラックな成分が混入された昼間の空の青ではなく、夜の照明に映し出されるブルー。

べつにブルーノートのブルーが青だからとか、そういうことではありません(笑)。

というわけで、以下5枚。

あれれ、もう5枚?
早いなぁ(笑)。

考えてみれば、全部テナーサックス入りではないか!(苦笑)

惜しくも選考から漏れたグラント・グリーンの『アイドル・モーメンツ』も、テナー入ってるしなぁ。

ブルーノートって、やっぱり自分の中では、テナーサックスがオイシいレーベルという印象が強かったことが、今回選んでみて改めて気付いた。

きっと、アルフレッド・ライオンもテナーが大好きだったに違いない。
テナーに限らずアルトやラッパなどの管楽器も好きだったに違いない。
それが証拠に、管入りのアルバムは多いけど、ピアノトリオのアルバムは極端に少ないからね。

しかし、ピアノ・トリオにもいいものはいっぱいありますよん。

私が好きな、「うーん、この音、この雰囲気こそブルーノートだ!」というピアノトリオが以下2枚。

もっともっとたくさん並べたくないのだけれども、キリがないのでこのヘンで。
ほんと、魅力あふれる音とジャケットをたくさん出してくれた素晴らしいレーベルですね、ブルーノートは。

記:2009/03/14

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