Super Best Of Yumi Arai/松任谷由実 荒井由実
2019/11/08
ユーミンに近づけた一枚
私はユーミンの歌声があまり好きではない。
というか、うまいと思ったことはないし、むしろ、彼女の曲をカバーしている歌手のバージョンのほうが好きだったりする。
私は荒井由実時代のユーミンを知らない。
しかし、周囲には、荒井由実時代を絶賛する年長の方が多い。
だからためしに買ってみた。
このベストを。
へぇ、この曲も彼女作曲だったんだぁと、どこかで聴いたことのある名曲がずらり。
私があまり好きではない彼女の歌声、歌唱は相変わらずだが(というか、若い頃からまったくスタイルが変わっていなかったのね)、それでも何故か不思議に胸を打つ。
最初は楽曲の良さゆえ、と思っていた。
ところが、どうも違う。
本当は、この曲は、彼女の「この声」じゃなきゃダメだったんだ、「この声」があるからこそ、曲が生きているんだ。こんな単純なことに気がつくことに時間はかからなかった。
そう、ちょっと稚拙とも思えるほど、しかし、それゆえに人一倍情感を込めて歌う彼女の歌と、彼女が作り出す哀と楽が絶妙にブレンドされている歌世界があるからこそ、ユーミンはユーミンたりえたんだな、ということが今更ながら強く実感。
そう気がつくと、他の諸作も聞こえ方が変わってくる。
最近のものから、松任谷名義に変わったあたりのものまで、流して聴くと、いままでなんとも思わなかった曲が、いきなり身近に感じてくる不思議さよ。
少なくとも、私の中では、ほんの少しだけ世界が広がった思い。
そして、世界を広げることを手伝ってくれたのが、この2枚組みのベストだったのだ。
それにしても、《コバルトアワー》の細野晴臣のベースはスゴっ!
記:2009/12/08
収録曲
disc1
1.ひこうき雲
2.恋のスーパーパラシューター
3.空と海の輝きに向けて
4.きっと言える
5.雨の街を
6.返事はいらない
7.そのまま
8.瞳を閉じて
9.やさしさに包まれたなら
10.海を見ていた午後
11.12月の雨
12.魔法の鏡
13.COBALT HOUR
14.ルージュの伝言
15.ベルベット・イースター
disc2
1.卒業写真
2.航海日誌
3.CHINESE SOUP
4.少しだけ片想い
5.雨のステイション
6.あの日にかえりたい
7.さざ波
8.14番目の月
9.さみしさのゆくえ
10.朝陽の中で微笑んで
11.中央フリーウェイ
12.天気雨
13.避暑地の出来事
14.グッド・ラック・アンド・グッドバイ
15.翳りゆく部屋