アローン・トゥ・ロング/トミー・フラナガン
2021/01/25
トミー・フラナガンのピアノ・ソロ・アルバムの『アローン・トゥ・ロング』。
1977年に録音されたトミフラ初のピアノソロアルバムです。
出だしの《パリの大通り》がエレガントで素晴らしいのです。
この曲は、お馴染みバド・パウエルの作曲なのですが、パウエルが弾く、パリの香気が強烈に立ち込める高貴なピアノに比べると、トミフラのピアノは、いくぶんか穏やか。
短い時間で鮮烈にパリの街並みを印象づける、初期パウエルの優雅な演奏に比べると、トミフラのピアノは、穏やかで柔らかく、安心してパリの街を散歩しているような気分になることが出来るのです。
他にもパウエルナンバーを披露しているのですが、トミー・フラナガンはパウエルから上手にエッセンスを取り入れて自分だけのスタイルを確立させたピアニストだということがよくわかります。
音楽的エッセンスは取り入れても、パウエルが持つ「魔」の成分は吸収していませんから。
夜、ソロピアノでくつろぎたいときは、私の場合、ハンク・ジョーンズの『ティプ・トゥ・タップ・ダンス』をかけることが多いですが、午後、ソロピアノでくつろぎたいときは、トミー・フラナガンの『アローン・トゥ・ロング』をかけることが多いですね。
もちろん、じっくり聴くもよし。
読書や酒のBGMにするもよし。
トミフラの隠れ名盤なのです。
▼収録曲
1. パリジャン・サロウフェア
2. イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ
3. ライク・ア・バタフライ
4. ヒアズ・ザット・レイニー・デイ
5. アローン・トゥ・ロング
6. メイビー・セプテンバー
7. ストローリン
8. ビリー・ホリデイ・メドレー
9. ビーン・アンド・ボーイズ|イン・ウォークト・バド
10. アルティマ・スーリー
11. ザ・ヴェリー・ソウト・オブ・ユー
12. ディグニファイド・アピアランス
記:2016/03/24