パリの四月/カウント・ベイシー

   

Verveのもう一つの名盤

鋭利で空気をつんざくような、ジョー・ニューマントランペット。

ふくよかで空気たっぷりのフランク・ウェスが吹くフルート。

スインギーでノリノリのピアノを弾くは、
もちろんカウント・ベイシー。

この順番(ソロ・オーダー)がたまらない!

それが、8曲目の《ミジェッツ》。

軽快に繰り広げられる4バース(4小節交換)も気持ち良い。

サクサクと簡潔なナンバーながら、このアルバムのキモでもあります。

ベイシー楽団の定番といえば、同じくヴァーヴの『ベイシー・イン・ロンドン』が筆頭に挙げられることが多いが、『エイプリル・イン・パリ』もまぎれもなく代表作。

ベイシー率いるビッグバンドの卓越したアンサンブル力と、ハッピーなエモーションの中にもさまざまな情感が宿ったサウンド。

コンボ編成のジャズが好きで、ビッグバンドが苦手な人にこそ、まずは聴いて欲しいビッグバンド入門盤だ。

いまや、アレンジャーとしては大御所のクインシー・ジョーンズも、かつてはトランペッターだったことは周知のとおり。そんな若い時代の彼が2曲、トランペットで参加している。

記:2007/04/16

album data

APRIL IN PARIS (Verve)
- Count Basie

1.April In Paris
2.Corner Pocket
3.Did'nt You
4.Sweety Cakes
5.Magic
6.Shiny Stockings
7.What Am I Here For
8.Midgets
9.Mambo Inn
10.Dinner With Friends

Count Basie (cond,p)
Joe Newman,Thad Jones,Wendell Cully,Renuald Jones (tp)
Quincy Jones (tp) #9,10
Henry Coker,Benny Powell,Bill Hughes (tb)
Marshall Royal,Billy Graham (as)
Frank Wess,Frank Foster (ts)
Charlie Fowlkes (bs)
Freddie Green (g)
Ed Jones (b)
Sonny Payne (ds)

1955/07/26&27 #1,2,3,4
1956/01/04 #5,6,7,8
1956/01/05 #9,10

 - ジャズ