ブラックナス/ローランド・カーク

      2021/02/24

もう、最高!

特に猛暑のときに聴くと効果満点。

気温より熱い音楽ゆえ、暑さを忘れさせてくれる。

もちろん寒い冬に聴いてもOK。身体の芯からほくほくと温まってくる。

このパワー、このバイタリティ、このテンション、この快感といったら!

全編R&Bやソウルを全身から吐きだすカーク。

特に、マーヴィン・ゲイの名曲《ホワッツ・ゴーイング・オン》は必聴。

ビル・ウィザーズの《エイント・ノー・サンシャイン》も良い。

襲いかかってくる圧倒的なサウンドの洪水に、ぐにゃぐにゃにヨジれてしまおう。

なにより、楽しいです。

笑える箇所もいっぱいあります。

もちろん、その笑いはギャグとしてのお笑いではなく、「ここまでやるか!」と驚き呆れたときに、内側から自然に湧き出てくるもの。

この暑くて、熱くて、とびっきりカッコ良いサウンドは、ジャズファンよりもむしろR&B、ソウル好き、ロックが好きな人にこそ是非味わってもらいたい。

ジャンルを飛び越え、ブラックミュージックだったらなんでもござれのゴッタ煮ミュージックの大御所ローランド・カーク。

これほどまでに、人間の喜怒哀楽を当たり前のように音楽に封じ込め、身体も心も柔らかくほぐしてくれる魔術師のようなミュージシャンは、ちょっといないんじゃないかと思う。

奔放なカークのバックを支えるミュージシャンの中には、あのリチャード・ティー(ピアノ)や、コーネル・デュプリー(ギター)もいる。

彼らもカークに鍛えられていたんだね。

記:2009/07/27

album data

BLACKNUSS (Atlantic)
- Roland Kirk

1.Ain't No Sunshine
2.What's Goin' On/Mercy Mercy Me (The Ecology)
3.I Love You, Yes I Do
4.Take Me Girl, I'm Ready
5.My Girl
6.Which Way Is It Going
7.One Nation
8.Never Can Say Goodbye
9.Old Rugged Cross
10.Make It With You
11.Blacknuss

Rahsaan Roland Kirk (vo,ts,fl,whistle,perc)
Princess Patience Burton, Cissy Houston (vo)
Charles McGhee (tp)
Dick Griffin (tb)
Sonelius Smith, Richard Tee (p)
Mickey Tucker (org)
Billy Butler, Cornell Dupree, Keith Loving (g)
Henry Pearson, Bill Salter (b)
Khalil Mhrdi, Bernard Purdie (ds)
Joe Habad (per)
Arthur Jenkins (conga, cabasa)
Richard Landrum (conga)

1971/08/31,09/08

 - ジャズ