ブルー・バラード/アーチー・シェップ
やり過ぎシェップ
このアルバムのシェップは、言ってみれば、トゥー・マッチ。
やり過ぎ。
♪うわわわわぁ~、うぉぉぉぉ~
このような過剰なヴィブラートのかかったシェップのテナーに、皆さんご存知の、バラードを吹かせ、リズムセクションにもどうだ、熱量あるだろ!と汗飛び散る演奏。
んでもって、このジャケット。
何からなにまで下品です(笑)。
酩酊サックスを酩酊しながら聴く快感
シェップは昔にはない風格は確かに出ているかもしれないが、典型的なスタンダードをビブラート過多な吹奏するのは、やっぱり似合わないし、彼の本質ではない。
日本人に受けそうなことをやらせているのがミエミエ。
プロデューサーの人、あるいはレコード会社、絶対狙いすぎです。
過剰過ぎます。
これ聴きながら、「うーん、シェップのバラードは、やっぱいいねぇ」だなんて言ってブランデー転がしているおっさんがいたとしたら(いないと思うが)、品性疑います。
音とジャケットとコンセプトが相乗効果で下品なんだよな~。
でも、ゴールデン街なんかで酩酊しながら、シェップのこの酩酊サックスを聴くのは悪くないかもね。
ジョン・ヒックスのピアノに、ジョージ・ムラーツのベースも悪くないし。
悪いのは、このジャケットだよ、ジャケット。
10年ぐらい前のゴールデン街、あるいは四谷荒木町の泥臭いジャケットだったら、中身の評価は180度変わるかもしれない(笑)。
album data
Blue Ballad (Venus Record)
- Archie Shepp
1. Little Girl Blue
2. More Than You Know
3. Blue In Green
4. Blue And Sentimental
5. Cry Me A River
6. If I Should Lose You
7. Alone Together
Archie Shepp (ts,as,vo)
John Hicks (p)
George Mraz (b)
Idris Muhammad (ds)
1995/11/24&25
記:2009/03/14
追記:シェップはやっぱりコレでしょう
昨日は、ぶにょぶにょしたシェップのバラードばかり聴いて、アタマがクラクラしかけていたので、本日は、コレを聴いてアタマをスッキリさせた。
豪快、爽快。
やっぱり、シェップはパワフルに吹きまくってこそシェップ。
いいぞ、シェップ、頑張れシェップ!と、手に汗握るA面。
記:2009/03/15