ブルー・ライツ vol.2/ケニー・バレル
サム・ジョーンズが光る!
サム・ジョーンズがぶっ太い低音でベースを奏でる《ザ・マン・アイ・ラヴ》にシビれる。
ギターがケニー・バレルだし、一瞬ポール・チェンバースの『ベース・オン・トップ』を聴いているのかと錯覚してしまうほど、このナンバーではベースがフィーチャーされているのだ。
通常演奏されるテンポよりも速めの速度で、テーマとアドリブを奏でるサム・ジョーンズ。四弦入魂。力強い低音。
彼が奏でるベースは、渋い男のロマンだ。
しかも、バッキングのほとんどがドラムどのデュオ。というより、ドラムがサムのベースの推進力となり、力強く骨太な低音を彩っている。
ベース好きは必聴!
ケニー・バレルがリーダーの『ブルー・ライツ』のvol.1と2は、同じ日に一気に録音された作品だが、レコーディング中はピアニストが交代したり、ホーンが参加したり抜けたりと、単調な内容にならぬよう様々な編成が試みられている。
おそらく《ザ・マン・アイ・ラヴ》のベースをフィーチャーしたアレンジも、その試みのうちのひとつなのだろう。
そして、その試みは大成功。
ホーンやギターの音色に慣れた耳には、アルバムの流れの中では新鮮に響き、良いアクセントとなっている。
ベース好きには必聴のナンバーといえるだろうし、この渋い《ザ・マン・アイ・ラヴ》が聴けるだけでも、『ブルー・ライツ vol.2』は持つ価値のあるアルバムだといえる。
ケニー・バレルというギタリストは、管楽器との共演では映えるギタリストだということがよく分かると同時に、骨太なベースを彩るのにも適した艶やかな音色の持ち主だということもよくわかるアルバムなのだ。
記:2011/03/03
album data
BLUE LIGHTS VOL.2 (Blue Note)
- Kenny Burrell
1.Rock Salt
2.The Man I Love
3.Chuckin'
4.Phinupi
Kenny Burrell (g)
Louis Smith (tp)
Junior Cook (ts)
Tina Brooks (ts)
Duke Jordan (p)
Bobby Timmons (p) #3
Sam Jones (b)
Art Blakey (ds)
1958/05/14