ブリリアント・トゥリーズ/デイヴィッド・シルヴィアン
2021/02/11
ジャズじゃないんだけども(ま、デヴィッド・シルヴィアンの作品の中ではジャズっぽいといわれてますが)、今日はコレの《詩人の血》を大音量で聴きたい気分。
ヘタなジャズよりも、よっぽど、よっぽど、よっぽど、良質な音楽です。
《詩人の血》が収録されている『ブリリアント・トゥリーズ』は、JAPAN解散後に世に問うたデヴィッド・シルヴィアン初のソロアルバムだ。
坂本龍一のほか、ホルカーシューカイ、ジョンハッセル等の参加も目を惹く。
JAPAN時代のいじりにいじったプロフェット5などパーカッシヴなシンセのの音は陰を潜め、一転してこちらはアコースティックなサウンドが全体を覆う。
全体的にストイックなテイスト漂うナンバーの連続だが、耳の奥に残るポップさもどこかしらに潜んでおり、シルヴィアンの美学が、単なる自己満足な世界では終わらず、きちんと「聴かせる」内容に落とし込まれているバランス感覚が素晴らしい。
エネルギッシュな《プリング・パンチズ》や、人気の高い《レッド・ギター》もいいが、個人的には内省的な《詩人の血》、《ノスタルジア》、《バックウォーターズ》、そしてタイトル曲の《ブリリアント・トゥリーズ》のほうが断然好み。
嗚呼、《詩人の血》を大音量で聴きたひ。
そんな秋の空を見上げてタバコの煙を吐き出すオレであった。
記:1999/11/03