チョコレート・シェイク/デューク・ジョーダン
2021/02/21
滋味あふれるソロピアノ
デューク・ジョーダン晩年の作品。
ピアノソロだ。
ジョーダンのピアノは、たとえば代表作の『フライト・トゥ・デンマーク』(スティープル・チェイス)や、『フライト・トゥ・ジョーダン』(ブルーノート)などに顕著だが、ゴリッとダークでドス黒い瞬間もあったかと思えば、ちょっと軟派なセンチメンタルフレーズも顔を出すという、この硬軟のバランスが良い。
そこをもってして、ジョーダン嫌いな人は「ナヨっちぃ」と眉をひそめるし、私のような哀愁のハードバッパー野郎は、「そこが染みるんじゃないか」と頬を緩めるのだ。
さて、このピアノソロのアルバムのジョーダンだが、なんとも滋味あふれる淡々とした魅力よ!
硬軟どちらかといえば、比較的、軟の要素が強いにもかかわらず、ピアノ一本のゴマカしの効かない状況下、ビシッと一本、筋の通った演奏を貫いている。
かといって、モロ哀愁むき出しなフレーズが多いというわけでもなく、そう、滋味あふれて淡々 という形容がぴったりだと思う。
ジョーダンの代表作たりうるかというと、いや、こういう作品も遺してましたぐらいな位置づけなのだろうが、
いやはや、それでも傾聴に値するジョーダン流のいぶし銀なピアニズムを感じることは出来る作品だ。
ところで、聴くたびにいつも思うのだが、演奏内容と、ジャケットの女性が、あまり結びつかない(笑)。
記:2002/09/26
album data
CHOCOLATE SHAKE (M&I)
- Duke Jordan
1.Chocolate Shake
2.My Funny Valentine
3.Now's The Time
4.Call Me To Your Arms
5.Dig
6.No Problem
7.All The Things You Are
8.How Deep Is The Ocean/Here's That Rainy Day/Empraseable You
9.Out Of The No Where
Duke Jordan (p)
1985年1月