カラーズ/オーネット・コールマン&ヨアヒム・キューン

      2021/12/03

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まるで抽象画のような演奏

オーネット・コールマンと、ドイツ人ピアニスト、ヨアヒム・キューンのデュオの演奏が収録されたアルバムが本作品だ。

この演奏は、ドイツのライプツィヒにて行われてた。
この地は、キューンの故郷でもある。

ヨアヒム・キューンは、かなりのオーネット信奉者で、この共演の実現は、彼の熱望の賜物による。

ピアノとの共演演奏が極端に少ないオーネットゆえ、この演奏は貴重な記録だといえる。

ある意味、単純素朴な旋律ですらあるオーネットの楽曲を、キューンがピアノで彩ると、まるで抽象画のような魅力が生まれている。

それは、あたかも単純素朴で力強いデッサンの上に、技巧的なペインティング施された絵画のようでもある。

オーネットの肉体性に、キューンの知性が融合することで、輪郭や雰囲気は、もちろん従来のままのオーネット・ミュージックでありながらも、これまで聴いたことのない新鮮さや、ある種の荘厳さすら生まれる瞬間もある。

目玉は、《サイバー・サイバー》。
オーネット節が炸裂しており、やはりキューン寄りの演奏よりも、オーネット寄りの演奏のほうにシンパシーを感じてしまう。

プロデュースは、オーネットの息子で、ドラマーのデナード・コールマンで、レーベルはハーモロディックとヴァーヴと表記されている。

ハーモロディックは1995年に設立されたオーネットやデナードによるレーベルで、製作はハーモロディック、流通や販売はヴァーヴが請け負うような役割分担となっているのだろう。

演奏によっては、クラシカルなテイストに偏りがちになってしまう局面もあるにはあるが、この時期のオーネットは、エレクトリック楽器中心の演奏にシフトしていたため、アコースティック楽器同士が重なり合うその響きは、新鮮であることには違いない。

記:2019/11/22

album data

COLORS (Harmolodic/Verve)
- Ornette Coleman & Joachim Kuhn

1. Faxing
2. House Of Stained Glass
3. Refills
4. Story Writing
5. Three Ways To One
6. Passion Cultures
7. Night Plans
8. Cyber Cyber

Ornette Coleman (as,tp,vln)
Joachim Kuhn (p)

1996/08/31

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 - ジャズ