YouTubeの動画でコルトレーンの凄さを再認識してみよう
とってもスゴい《ジャイアント・ステップス》
ジョン・コルトレーンといえば、「シーツ・オブ・サウンズ」という言葉がセットでついてくるほど、吹く音数の多さと、熱量の凄まじいテナーサックス吹きです。
しかし、楽器をやっていないと、彼の音数の多さやアイデアの豊富さ、それを実現してしまう体力と精神力の強靭さが実感しづらいのかもしれません。
とくに、《ジャイアント・ステップス》なんかは、滅茶苦茶難しいことをやっているにもかかわらず、整然と音符が並ぶので、サラサラと流れてゆく気持ちのいい演奏、ぐらいの印象しか抱かない人だっているかもしれません。
それに、「コルトレーンは楽器のプロなんだから、早く吹けて当り前だろ~に」なんて思っている人も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。
そんな方のために、コルトレーンの凄さを視覚で体験してみましょう、というのが、以下に貼り付けたYou Tubeの映像。
コルトレーンの「シーツ・オブ・サウンズ」の完成形というべき素晴らしい曲、《ジャイアント・ステップス》の演奏です。
目まぐるしくコードが激変する曲
この映像を見ると、すごい勢いでテナーサックスから音符が出力されてゆく様を目で追いかけることが出来ます。
じーっと見ていると目が疲れてしまうほどの目まぐるしさ。
この速度。
この音符の羅列。
とどまるところを知らぬ勢い。
コルトレーンの《ジャイアント・ステップス》はいつ聴いてもスゲーぜ! と感じているコルトレーンファンの方も、この映像を追いかけながら、よりいっそうコルトレーンの凄さを再認識してはいかが?
《ジャイアント・ステップス》という曲は、コード激変曲ということでも有名な難曲です。
テーマの部分は鼻歌レベルでハミングできるでしょうが、アドリブに突入すると、あら大変。こんなに目まぐるしく変わりまくるコードを、アップテンポで吹きまくるコルトレーン。
五線譜の上にはコードネームも表示されるので、ギターを嗜んでいる方は、ギターを抱え、表示されるコードを追いかけながらコルトレーンと一緒にアドリブを取ってみると良いでしょう(笑)。
「つーか、出来ねぇし……」と苦笑いをしたギタリストの方は、それだけでも、コルトレーンの猛烈さの片鱗は体感できたのではないでしょうか。
以前、なにかの雑誌か本のレポートで読んだ記憶があるんだけど、今、ニューヨークのライブハウスで繰り広げられているジャムセッションでは、この曲がスタンダードとして、当り前のように演奏されているというのだから、驚きです。
ちなみに、“今”を感じさせる《ジャイアント・ステップス》。
ブライアン・ブレイドのドラムにグッとくる。
記:2006/09/09
>>ジャズを「目で聴く」愉しみ。~コルトレーンとチャーリー・パーカー
につづく。