モンク最後のピアノソロ《Cordially》

      2021/02/10

コーディアリー
⇒真心をこめて

セロニアス・モンクのラストレコーディング『ロンドン・レコーディング』のvol.3。

最後のアルバムの、それこそ一番最後に収められたこの祈るようなピアノに心震える。

9分を超す長めのピアノソロ。

曲表記は《Cordially (Improvisation)》とあるように、静かに和音を中心に鍵盤を鳴らし、これを主体にサブメロディを取り留めもなく付加させてゆく、とりとめもない演奏。

沈鬱な気分に陥る一歩手前で、なぜか荘厳な気分になってくる不思議さ。

このモンクの祈るようなピアノは、ドルフィーの言葉ではないが、それこそ鍵盤がコードをボーン♪と鳴らした瞬間に中空に消えていき、二度と取り戻せないんじゃないかという気分になってしまう。

演奏開始からしばらくの間、スタジオ内のノイズなのかな?
紙がカサカサする音。

さらに、演奏終盤あたりに、遠くから会話が聞こえる。

この臨場感も妙に生々しく、かえってピアノの音に没入してしまうのです。

▼収録曲
1.Trinkle Tinkle (take 2)
2.The Man I Love
3.Something In Blue
4.Introspection (take 1)
5.Trinkle Tinkle (take 1)
6.Clepuscule With Nellie (take 3)
7.Nutty (take 1)
8.Introspection (take 3)
9.Hackensack (take 1)
10.Evidence (take 1)
11.Chordially (improvisation)

記:2016/01/26

>>ロンドン・コレクション vol.3/セロニアス・モンク

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