四谷「いーぐる」が選ぶ『ジャズ喫茶のジャズ』曲目解説
先日発売された、新星堂のCD「四谷いーぐるが選ぶ『ジャズ喫茶のジャズ』~秘伝、ジャズ喫茶選曲術~第11回:これがジャズ喫茶の、ブルーノートだ!』。
このCD収録のナンバーを選曲したジャズ喫茶「いーぐる」のマスター後藤雅洋氏。
このコンピレーションCD@の選曲をみていきましょう。
アス・スリー
泣く子も黙る《アス・スリー》。
始まりインパクトは絶大!
ジョージ・タッカーの骨太ベースに、アル・ヘアウッドの殺伐ブラッシュワーク。
うーん、カッコいい!
ブルー・シューズ
クリフ・ジョーダンの《ブルー・シューズ》は、「いかにもブルーノートなハードバップ」な魅力が凝縮されていると思うのであります。
ちなみに、この曲はカーティス・フラーの作曲です。
バッシャーズ・ドリーム
うおぉぉ、出たぁ!
アフロキューバン!
…に入っている、肉厚アンサンブル。
ノリノリのりりんぐ。
ジャズ喫茶で大音量で聴いたら、身体ゆらゆらりんぐ。
マイナー・ミーティング
これもハードバップ好きにはたまらんテーマのメロディ、アンサンブルですな。
いかにもソニー・クラークの曲って感じもするし。
「人」もハードバップ好き垂涎なモブレイ、バード(パーカーじゃないよ)、チェンバースですからね。
あ、あとドラムはブレイキー。
マイティ・モー・アンド・ジョー
一曲前にも参加していたハンク・モブレイ。
一曲前のリーダーのソニー・クラークは奥に引っ込んで、今度はモブレイがリーダーのアルバムのキラーチューンですね。
知る人ぞ知る、好きな人にはたまらん「鉄仮面」アルバムの代表ナンバー。
音色が少々かすれたところもあり、フレーズの語尾がスタッカート気味のカーティス・ポーターのアルトサックスがおいしさの隠し味。
トリビュート・トゥ・ブラウニー
トランぺッター、ルイ・スミスが先輩トランぺッター、クリフォード・ブラウンに捧げたナンバー。
ドラムとトランペットのみの出だしに引き込まれる。
ちなみに、ピアノ誰だかわかる?
デューク・ジョーダンなんだよね。
意識せんとなかなか気付けへん……。
アルトサックスは、すぐにわかるよね。
バックショット・ラ・ファンク。
誰それ?
キャノンボール・アダレイですよ(契約の関係かなんかで変名)。
エリック・ドルフィーのジョージ・レインみたいなものですな(コルトレーンの『オレ!』)。
クール・グリーン
出たぁ、マクリーン!
ジャズ喫茶には欠かせないジャズマンの1人でしょう。
そして「ジャズ喫茶名盤」の1枚でもある『ブルースニック』のナンバー。
マクリーンのいいところ(嫌いな人にとってはイヤなところ)がびっしりと詰まった演奏。
安定のハバードラッパも聴きごたえあり。
フロム・ジス・モーメント・オン
コルトレーンもマル・ウォルドロンのアルバム(マル2)演っていた印象的なコール・ポーターのナンバー。
マクリーンのような「歌い方」をするジョン・ジェンキンスもいいけれど、ケニー・バレルのサポートもなかなか。
コルトレーンにしろ、ジェンキンスにしろ、一生懸命サックスプレイヤーにはピッタリのナンバーです。
グッド・オールド・ソウル
やはり来たか!
…な、ティナ・ブルックス。
ブルーノートとジャズ喫茶といえば、この『トゥルー・ブルー』はマストアイテムでしょう。
この重量感と迫力は、ブルーノートを象徴するサウンドといっても過言ではないでしょうね。
ティナ・ブルックスのゴリっとしたところと、一瞬垣間見せるナヨっとしたバランスがツボなんだよね。
テイク・ミー・イン・ユア・アームズ
最初にピアノトリオではじまり、最後はピアノトリオで締めくくる。
ユタ・ヒップのヒッコリーハウスでのライヴですな。
この「ポキポキ感」は、けっこうホレス・シルヴァーの影響が濃厚のような感じが。
ピーター・インドのベースソロがけっこう好きなんですよ。
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