HG「グフ」のプロトタイプ・戦術実証機を地味色で塗ってみました
2021/02/09
鬼門? グフのガンプラ
グフのプラモって私にとっては「鬼門」なのかもしれません。
ザクとルックスは似ているのに、グフを作ってうまくいったことってあまりないのです。
中学生のときに作った1/144のグフは、製作中に部品のどこかが欠損して途中で作るのを諦めてしまったし、MG(マスターグレード)のグフカスタムは、最終的に完成まで漕ぎ着けたんですが、墨入れの際、エナメル系の塗料をモールドにボトボトと調子にのって流し込みすぎたために、プラスチックが弱くなり、足のひざ下がボトン!と落下。
仕方ないので、雪にヒザまで埋まっているジオラマを作ってゴマかしたりしたこともありますねぇ。
それと、HGUCのグフカスタムも、厚塗りしすぎて、なんだか、塗料の塊みたいな感じになってしまったので、現在ジャンクパーツを入れる箱(プラモの墓場)で眠っています。
ザクに関しては、個人的にはうまく作れた!という感触があるものはたくさんあるのですが、ことグフに関しては、そういう作品が一つもないんですよ。
ひょっとして、グフのガンプラは私にとって鬼門?
でも、私はグフが好き。
ザクよりも好き。
グフは操縦する人も男気のある人が多いですし。
しかし、なんでなんだろうなぁ、大好きなグフがうまく作れなくて、嫌いではないけれども、グフほどの思い入れのないザクのほうがうまく作れちゃうというのは。
思い入れが少ないぶん、気合いをいれずに気楽な気分で作れるからかもしれませんね。
「よし、ピンクのザクを作ろう!」とか、そんなイイカゲンな気持ちでザクを作っちゃってますから。
しかし、自分にとって満足のいくグフを作ってみたいという気持ちは常に心の中に抱き続けていたんですが、そんな時、たまたまプラモ屋で目にしたのが「プロトタイプグフ (戦術実証機) 」だったのです。
THE ORIGINのMS
最近は『機動戦士ガンダム サンダーボルト』や『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場するMS(モビルスーツ)のプラモが発売さていますが、特に『THE ORIGIN』に登場するMSが、いちいち私のツボにはまるんですよね。
「カッコ悪・カッコ良い」というのかな?
良い意味で洗練されてなくて、MSの開発途上のメカっぽい要素がどの機体からも出まくっているところが私のメカ心をくすぐるのかも。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のストーリーは、『機動戦士ガンダム』の本編、つまりは、「ファースト・ガンダム」と呼ばれているストーリーよりも時系列的には前の段階の話です。
つまり、アムロがガンダムに搭乗して活躍する時期よりも、少し前の話なのですね。
ですので、『THE ORIGIN』に登場するMSは、アムロやホワイトベースのクルーたちが戦ったザク、グフ、ドムなどのMSよりも旧タイプのモビルスーツばかりです。
ところが、なぜかカッコ良いのですよね。
「ファースト・ガンダム」に登場する量産型のザクやグフが一つの完成形だとすると、そこに至るまでの試作機やプロトタイプの機体は、洗練されていない無骨さと、アカ抜けなさが、かえってカッコ良い。
その究極が個人的にはヴァッフだと思っております。
この気になるMSは機会があれば作るとして、とにかく個人的に満足のいくグフを作りたいと思っていた私を魅了したのが「プロトタイプグフ・戦術実証機」の無骨さだったのです。
思わず衝動買いをしてしまいましたね。
プロトタイプグフ・戦術実証機
グフの試験機なだけあって、洗練された量産機にはない微妙にアンバランスなフォルムに、なんといっても、指がないのがカッコいい(笑)。
片方はヒートロッド(電流を流すムチのようなものです)を出し入れするだけの機能になっているし、もう片方は3連装の銃になっているだけ。
この武器のムキ出し感がなかなかカッコいいなと思ったわけです。
(もっともオプションパーツで指のある手に変更することも可能ではありますが)
グフといえば、青のイメージが強いモビルスーツではありますが、私は、あえてグレーで塗ると試験機っぽくてカッコいいかなと思いました。
しかも、どちらかというと薄いグレー。
昔の鉄人28号っぽいカラーリングになれば、けっこうカッコいいのではないかと思ったんですね。
しかし、私がプラモを塗るときは、けっこう行き当たりばったりです。
だいたいの方向性というか、着地点は決めてはいるものの、塗料を混ぜながら模型の上に色を乗せていくうちに、最初に思い浮かべたイメージとは異なるあらぬ方向に進んでしまうことが結構あります。
まさに、今回のプロトタイプグフがそうでした。
最初にマホガニーで満遍なく下塗り。
下塗り後は、少しずつ明度を上げて灰色に近づけて行こうと考えていたのですね。
明灰白色を基調に、少しずつ色々な色を上塗りしては、薄め液をつけた筆でブレンディングしているうちに、こんな色のグフになっちゃいました。
また色調を変えるかもしれませんが、現在はこんな感じです。
うーん、何色なんだ、この色は?
光加減によって、ずいぶんと色の表情が変わります。
マホガニーの下塗りの上に、ジャーマングレーを重ね、このジャーマングレーをベースに、RLMグレーや、明灰白色などの色を重ねてゆき、最終的には白黒版の鉄人28号の白黒ゆえのグレーっぽい色彩に近づけていったのですね。
ところが、ミドルストーンをまぜたあたりから、色味があらぬ方向へ。
ミドルストーンの謎
この色調、これはこれで悪くないんだけれども、グレーでもないし、緑でも黄色でもないし、という非常に曖昧な中間色になってしまいました。
南の島の岩場や砂浜をほじくったら出てきそうな小さなカニみたい(笑)。
当初のイメージが狂いはじめたのが、ミドルストーンだったんですね。
アクセントとしてミドルストーンを少し混ぜたグレーを薄~く上塗りしてみたんですが、このあたりから、色調がガラリと緑っぽい色に変わってきちゃったのね。
横山宏センセが『Ma.K.モデリングブック』で、「ミドルストーンの謎」というタイトルのコラムを書かれていますが、本当、私にとっても昔からミドルストーンは「謎」の色です。
良い意味で、こちらが意図したイメージを裏切ってくれる色なんですよ。
中学生や高校生の頃は、NITTOから出ていたSF3D(現・マシーネンクリーガー)のプラモを夢中になって作っていたのですが、ミドルストーンを調合した色で塗ると、かなりカッコ良くキマってくれましたからね。
「ミドルストーン使い」になることが、カッチョ良いプラモ塗りになれるポイントなのかもしれないですね。
次は「青」にも挑戦したい
にしても、青でもなければ、デザートカラーでもない珍妙なグフが完成してしまいましたが、ま、これはこれで、この「地味さ」が兵器っぽくて良いのかな? と勝手に納得しています。
うーむ、凶暴そうでカッコ良い。
とはいえ、写真をとってみて気が付いたんだけど、どうも動力パイプの「パイプ感」が個人的にはイマヒトツな感じです。
あとで、もっと赤サビっぽい色を上塗りしてみよーっと。
そして、ちょっとサビ感を追加。
ちょい、やり過ぎ?
やっぱりグフは青、もしくは水色のイメージを持っている私ですので、次にグフを作るときは、いいかげん「青」を基調にした色で納得がいくものを作ってみたいですね。
秀逸なキット
と、先ほどから「塗り」のことばかり書いていますが、肝心の組み立てに関してですが、組み立てやすい上に、結構動く。
だから、色いろなポーズをつけられる。
なかなか素晴らしいキットだと思います。
本当、もうひとつ作ってみたくなります。
あ、その前に、機動実証機も作ってみたいですね。
記:2016/05/31