ハッピー・マイナーズ/レッド・ミッチェル

   

若き日のレッド・ミッチェルのリーダー作

知る人ぞ知る、レッド・ミッチェルの名盤だ。

ハッピーマイナー。

なんて素敵な響きなんだろう。

そして、ジャケットのイラストも素敵。

演奏のテンポとは関係なく、ゆったりとした「時間のポケット」を持つベーシスト、
若きレッド・ミッチェルの秀作の一枚だ。

とくに、このアルバムからは、ミッチェルの息遣いが、聴こえてくるよう。

ミッチェルの呼吸が伝わってくる。

長めのベースソロから浮き彫りになる、ミッチェルによる音のストーリー展開。

くわえて、気持ちよくベースを歌わせているのは、彼の歌うような呼吸が、リスナーにも心地よさを与えているに違いない。

低音を支えるのみならず、リズムを刻むのみならず、鼓動、息遣いをもミッチェルは演奏にふわっと吹き込んでいるのだ。

ピアノトリオが3曲。

残りがセクステットの編成。

いずれも、心地よき低音の鼓動。

心地よいピアノ、ホーンのバイブレーション。

コンテ・カンドリの響き渡るラッパがいかにもウェスト・コーストジャズチックだが、ウェストコーストの息吹きに、微妙な翳りもブレンドされたサウンドがミソ。

ウェストコーストジャズ嫌いにも安心してオススメできる1枚だ。

記:2014/01/16

album data

HAPPY MINORS (Bethlehem)
- Red Mitchell

1.Happy Minor
2.Bluesology
3.Once In A While
4.Long Ago And Far Away
5.Gone With The Wind
6.Kelly Green
7.ScrappleFrom The Apple

Red Mitchell (b)
Conte Candoli (tp)
Bob Brookmeyer (valve-trb)
Zoot Sims (ts)
Claude Williamson (p)
Stan Levey (ds)

1955/02/01(Los Angeles,CA)

 - ジャズ