綾瀬はるかのANA広告ハワイ in 新宿中央広場のグラフィック
2021/02/11
ANAのハワイキャンペーン
少し前に新宿の中央広場で展開していたANAの広告です。
綾瀬はるかを起用したハワイのキャンペーンですね。
「!!」をひっくり返すと、「Hawaii」の「ii」になるいう、ただそれだけのことではあるのですが、この発想がコロンブスのタマゴというか、シンプルだけれども印象に残りやすいですね。
そしてその発想が分かりやすくデザインに分かりやすく落とし込まれていると思います。
この広告の前のANAの広告は、機内でWiFiが使えることを告知する内容だった気がしますが(その広告も綾瀬はるかを起用)、デザインが良い意味でラフなところが印象に残りました。
まるで、広告代理店がクライアントにプレゼンをする際に制作したラフイメージが、そのまま手を加えられずに本チャンになってしまったような、良い意味で「ザックリとした雑な感じ」は、むしろ、ツルッとした完成度の高い広告デザインを見慣れている我々にとっては、逆に斬新でインパクトがありましたね。
もっとも今回の「ANA Hawaii」のキャンペーンの広告デザインは、そこまで雑というかラフではないのですが、そこからほとばしるダイナミックで大胆な構図は、おそらく同じデザイナー(デザイン事務所)を起用しているんだろうなと思わせるテイストです。
笑ってしまうほど単純シンプル、しかし、それが逆にものすごく難しいのです。
シンプルでなおかつ頭に残りやすいデザインは、まるでオーネットの《ピース》のようです。
というか、個人的にはオーネット・コールマンの初期の音楽が頭の中で自動再生されてしまいましたね。
オーネットの《ピース》も、シンプルで口ずさみやすいメロディな上に、一度聴いたら忘れられない構造を持っています。
『ジャズ来るべきもの』に収録されているナンバーですので、興味のある人はぜひ聴いてみてね。
この広告を見て、ハワイに行きたくなる人がどれぐらい出現するかは分かりませんが、「ハワイに行こう!」と思い立った瞬間、JALよりANAのほうを思い出す人が増えそうな気がします。
とにもかくにも、グラフィック的なインパクト抜群の優れた広告デザインの一つだとは思いましたね。
気取ったり、澄ましたりする要素が皆無に近いイメージの女優・綾瀬はるかを起用したのも大正解だと思っています。
記:2018/05/28