ホーム・カミング ビル・エヴァンス

      2021/01/29

ビル・エヴァンスと共演したベーシストは、個性的な実力者が多いですね。

その中でも、もっとも一般的に知名度が高く、かつ音楽的センスにも抜きん出たものがあったベーシストは、スコット・ラファロであることは、誰もが認めることだと思います。

そして、そのラファロに比肩するベーシストとエヴァンス自身が認めているベーシストといえば、マーク・ジョンソン。

ところが、マーク・ジョンソンはエヴァンスの晩年のトリオのベーシストゆえ、残された録音ってそんなに多くないんですよ。

有名なところでは、死の直前のライヴ『コンセクレーション・ザ・ラスト』あたりでしょうか。

でも、この音源だけだと、マーク・ジョンソンの素晴らしさって、なかなか聴き取れないような気がするんですよね。

もっと、エヴァンスとマークの共演を聴きたい!

そういうフラストレーションをお抱えの方には、コレなんかどうでしょう?

『ホームカミング』。

1979年。

エヴァンスが死去する前年に、出身校の南ルイジアナ大学で行われたライブです。

ベースは当然、マーク・ジョンソン。

そしてドラムスがジョー・ラバーバラのトリオです。

大学のホール内の演奏なので、ちょっと音が響きすぎな感もあるのですが、マークのベースに触発され、美しいピアノを奏でるエヴァンスのピアノをじっくりと味わえることは確か。

リヴァーサイド4部作を聴いて、エヴァンスを聴いた気になっているのは勿体無い。

むしろ、リヴァーサイドでの演奏は、エヴァンスのキャリアの中では、初期のもの。

たしかに、ラファロとのインタープレイには素晴らしいものがありますが、その後も、エヴァンスはジャズピアニストとして進化を続けています。

これを機会に晩年の録音にも耳を通してみるのはいかがでしょうか?

▼収録曲
1.Re: Person I Knew
2.Midnight Mood
3.Laurie
4.Song From M*A*S*H (Suicide Is Painless)
5.Turn Out The Stars
6.Very Early
7.But Beautiful
8.I Loves You Porgy
9.Up With The Lark
10.Minha (All Mine)
11.I Do It For Your Love
12.Someday My Prince Will Come
13.Interview With Bill Evans By Rod Stains

記:

 - ジャズ