ソウル・ステーションのウイントン・ケリー
リメンバーのピアノソロ
ハードバップ・ファンにはお馴染み、ハンク・モブレイの『ソウル・ステーション』。
テナーサックスのワンホーンアルバムゆえ、ハンク・モブレイの良いところ(マイルドな音色と穏やかなアドリブ展開、そして暖かな歌心など)をたっぷりと味わえる素晴らしいアルバムです。
このアルバムの出だしの《リメンバー》が特に好き。
そう感じているジャズファンの方は、きっと私だけではないと思います。
モブレイのリラックスした円やかなテナーも良いのですが、モブレイのソロの後に登場するウイントン・ケリーのピアノも、これまた、涙、涙なのです。
ケリーっていいよね、やっぱり。
特に、ピアノのソロパート出だしの数小節のフレーズが、本当に素晴らしくて。
口ずさめるほどに、とてもシンプルな旋律なんですが、この曲のアドリブの出だしは、このメロディ以外ありえないんじゃないかと思うほど。
ハッピーなフィーリングの中にまぶされた微量の哀感。
私は、ケリーが奏でる「この箇所」聴きたさだけのために、『ソウル・ステーション』をかけることもあります。
《リメンバー》が始まり、モブレイのテーマ、そして、アドリブ。
そろそろ、ケリーの出番だ。
「来るぞ~」って待ち構えているところに、ピンポーン!と宅急便が来たりすると、めちゃめちゃ落ち込みます……。というか萎えます……。
そういう時にかぎって、インターフォンが鳴ったり人に話しかけられることって多いと思いません?
ケリーの「例のフレーズ」を忘れてしまった人は、『ソウル・ステーション』を引っ張り出して、もう一回聴いてみよう!(・∀・)b
なんか、その出だしの数音を聴きたいがために、曲の最初からじっくりと耳を澄ましているのが最近の私です。
記:2015/01/22