個人的柳沢きみお作品ベスト3
2021/02/11
面白さは絵の巧拙ではない
柳沢きみおの漫画が好きだ。
彼が描き出す決して絵がウマイわけでもないし、時おり垣間見せるどーしよーもないほどのデッサンの狂い加減に「はぁ…」と溜め息をつかざるを得ないこともあるのだが、何だかんだいいつつも、目に触れてしまった作品は最後まで読んでしまっているので、上記のマイナス面をも含めて、結局、なんだかんだいいながらも、私は彼の漫画がかなり好きなのだろう。
ストーリーテリングと切り口、情報量の匙加減が絶妙なのだ。
結局、漫画は「絵」のウマさヘタさよりも、「情報量」なんだな、って思う。
私が好きな彼の作品を三つあげると、『朱に赤』『青き炎』『DINO』か。
いずれも、救いようがないほどダークで、彼の作品群の中では「陰」に属するものばかりなのだが、そこがまた良いのだな。
あとは、ちょっと違うかもしれないけど、現代風『我輩は猫である』と勝手に思っている『大市民』もかなり好きだ。
記:2000/06/07
関連記事
>>柳沢きみおワールドを深く知るには『朱に赤』と『青き炎』が不可欠
追記
さらに、番外編ということで付け加えるとしたら、『真夜中のジャズマン』かなぁ。
『妻をめとらば』、『DINO』、『青き炎』同様に、「えっ?!」と言ってる間もなく、ストン!と終わる潔さっぷりは、この作品も全開。
ただし、『妻をめとらば』や『青き炎』のように後味悪い終わり方ではなく、なんとなく切ない余韻を感じさせる「ストン終わり」なんだよね。
決して順風満帆なハッピーエンドというわけではないけれど、なんか爽やかな余韻の残る終わり方なので大好きだ。
この『真夜中のジャズマン』に関しては、YouTubeでも語っています。
追記:2019/05/29