100万部を突破していた漫画版『君たちはどう生きるか』
2021/02/13
買った時は33万部
吉野源三郎・原作の書籍が、羽賀翔一によって漫画化された『君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)。
あいかわらず、どこの書店に行っても目立つところに平積みや面陳されていますね。
私がこの本を購入した時は、帯には「33万部突破!」と記されていました。
その数日後、本屋さんにぶらりと立ち寄ったら、増刷されたものが入荷したのか、店頭にあるこの本の帯は「43万部突破!」と書かれており、数週間後には「53万部突破!」の帯バージョンが。
凄い勢いですね。
10万部単位での重版?
なんて思っていたら、今度は「63万部突破!」。
いったい、何万部まで行くんかいな? 現在の発行部数は?と思って「君たちはどう生きるか + 発行部数」で検索をかけてみたら、11月29日の時点で、既に100万部を突破していたようです。
まだまだ売れ続ける筈
おお、ミリオンセラー。
凄いっすね。
とはいえ「実売部数」はどうなんでしょうね?
100万部というのは、あくまで「発行部数」。
つまり出版社が印刷した冊数ですから。
宮崎駿が映画化するというし、糸井重里絶賛だから、まだまだこれからも売れ続けるとは思うのですが、刷り過ぎた本って、勢いがパタッと止まると、過剰在庫を抱える懸念があります。
出版社が倒産する理由の一つに、「過剰在庫」があります。
在庫の管理費ってバカにならないんですよね。
ずいぶん古い話ですが、かつての大陸書房の倒産の大きな一因もそれでした。
本って基本、再販委託制だから、書店が欲しい本を買い取って販売しているわけではない。売れ残ったものは返品できますから、あまりに大量の返品が来ると過剰在庫を抱えてしまうことになるのですね。
(正確に言うと、先述した大陸書房の場合は、本ではなくビデオを書店での委託販売⇒返品という流れですが。)
あと、大陸書房よりさらに昔の話ですが、黒柳徹子・著の『窓ぎわのトットちゃん』も、ブームに乗って出版社が部数を刷り過ぎたため、パタッと動き(売れ)が止まった途端、返品の嵐、返品の山、結局出版社は倒産してしまいました。
この出来事は「トットちゃん倒産」と言われていましたね。
ま、今回の『君たちはどう生きるか』の版元は、あのマガジンハウスですから、そのようなことは無いとは思いますけど。
仮に一時的に動きが止まって返品がきたとしても、今度はその返品を改装して再活用することもできますからね。
今後、アニメの内容が発表されれば、また帯を変えて「アニメ化決定!」みたいなキャッチコピーと、アニメの画像をレイアウトして再出荷すれば、まだまだ店頭では売れるはずです。
100万部を突破しても、まだまだしばらくは売れは止まらないことでしょう。
目指せ200万部?!
記:2017/12/18