ラスト・レコーディング/アルバート・アイラー

   

圧倒的なバイブレーション

1970年。

フランスでのライブ。

ピアノを加えた、ワンホーン・カルテット中心の編成。

そして、イーストリバーで変死体となって発見される少し前の演奏でもある。

自由で伸び伸びとしたアイラーのテナーサックスの音色とフレーズは、演奏する喜びそのものが凝縮されており、それが観客にも伝播していく様子が手に取るように伝わってくる。

それほど聴衆からの拍手は完成が凄いのだ。

まるでアイラーから発せられるバイブレーションに共振しているかのように。

ラストナンバーのヴォーカルは奥さんによるものだが、これもなかなか聴かせてくれる。

ある意味対極の内容ともいえる『スピリチュアル・ユニティ』とともに、文句なしにアルバート・アイラーの最高傑作だと思う。

聴きやすい上に全身を揺さぶるほどの感動を味わえることだろう。

これを聴かずしてアイラーを語るなかれ。

記:2013/01/09

album data

NUTIS DE LA FONDATION MAEFHT 1970 (Water)
- Albart Ayler

1.In Heart Only
2.Spirits
3.Holy Family
4.Spirits Rejoice
5.Truth is Marching In
6.Universal Message
7.Spiritual Reunion
8.Music Is The Healing Force of the Universe

Albart Ayler(ts)
Call Cobbs (p)
Steve Tintweiss (b)
Allen Blairman (ds)
Mary Maria(Mary Parks) (vo) #8

1970/07/25 & 27

 - ジャズ