ザ・ジゴロ/リー・モーガン
どっしりモーガン、ジャズロック!
カッコいい。
さすが、ジゴロ!
音、パワフルだ。
力に漲っている。
ドッシリと安定感バツグンのジャズロックだ。
ブリリアントかつ力のこもったリー・モーガンのトランペット。
ぶっ太くウネるショーターのテナーも力強い。
そして、この両者の相性も抜群。
さすがメッセンジャーズで培われた管コンビのコンビネーション。
ぶっ太いといえば、ボブ・クランショウのベースも肉厚で頼もしく、太いウネリを演奏にもたらしている
シンバルのトップを力強く叩くビリー・ヒギンズも熱い。
いわゆるジャズロック調の演奏が占めるアルバムだが、モーガンの代表ナンバーの《ザ・サイドワインダー》の軽快さとはうってかわって、力強く一拍一拍が地面に食い込むようなドッシリとした頼もしい安定感がアルバム前編に横たわっている。
分厚い空気感が凝縮された『ザ・ジゴロ』は、各人の発する力の漲った音が凝縮、濃縮された力強いアルバムといえる。
また、ハロルド・メイバーンのピアノがカラフル。カラフルというか、リズムという骨格に色の付け方が秀逸で、この『ジゴロ』というアルバムが持つ特有の独特なカラーを決定づけているといっても過言ではない。
『ザ・サイドワインダー』や『ザ・ランプローラー』の路線が好きなリスナーには是非オススメしたい。
モーガンのジャズロック路線の中でも、特にドッシリ感の際立った好盤だ。
記:2007/11/26
album data
THE GIGOLO (Blue Note)
1.Yes I Can, No You Can't
2.Trapped
3.Speedball
4.The Gigolo
5.You Go to My Head
Lee Morgan (tp)
Wayne Shorter (ts)
Harold Mabern (p)
Bob Cranshaw (b)
Billy Higgins (ds)
1965/06/25 & 07/1