アット・ザ・ライトハウス'68/クルセイダーズ

      2021/02/16

バンドの楽しさが伝わってくる

ジャズ聴き始めのころの私って、自分は「高尚な音楽を聴いているんだぜっ」て思いたい気持ちがどこかにあったようで、どうしても、軽くてポップなタッチの音には、「ケッ!」と背を向けるのがカッコいいと思っていた節がある。

今考えると、それは相当にカッコ悪いことなのだが、ある程度の「お勉強」は不可欠な未知な領域な音楽に親しもうとするには、多少の「気どり」やストイックさは必要だったのかもしれない。

もちろん、今では、あまりそういうことはなくて、中身さえ良ければ、軽かろうが重かろうが、コマーシャルだろうがアングラだろうがなんでもござれ状態になってきている。

そういう心境に達したときに、はじめて、クルセイダーズを聴いてみよう!という気持ちになったものだ。

それまでは、なんだかポップでお手軽なイメージが強かったんだよね。

だって、ビートルズやってるし(笑)。

しかし、ビートルズもやるかと思えば、コルトレーンの《インプレッションズ》も同時にやってしまう彼らの軽やかなスタンス、かつ、鮮やかに同じテイストで料理してしまう手腕こそが、クルセイダーズの魅力なんだと気付いた。

で、やっぱり、最初にお勧めしたいのは、私が最初に聴いて、「お、いいじゃん」って感じたこともあるんだけれでも、ライブ盤の『ライトハウス'68』。

まさに、ビートルズとコルトレーン、やってます。

非常によくまとまった演奏だと思うし、「好きだから取り上げた。好きだから、自分たち流に消化してみた」という姿勢がよろしいんじゃないでしょうか。

原曲に対する親愛の念とともに、きちんと自分達の音楽しているし。

テキサスはヒューストン出身の、近所の幼馴染み4人の仲良しブラザーズが、「おれ、ビートルズに最近はまってるんだけどさぁ、やってみようぜ」「お、いいねぇ」なんて、まるでアマチュアバンドが気軽に世間話をする感覚で打ち合わせ、で、やってみたら、結構良かったんで、「今度みんなの前でやってみっか?」「いいねー、やっちゃお、やっちゃお」

なーんて、会話は交わされたかどうかは分からないが、バンドをやっている私からすると、だいたい、バンドやってる楽しさは、演奏している瞬間も楽しいが、それ以上に、スタジオ入りする前の雑談とか、練習後の打ち上げの雑談だったりする(笑)。

あれ聴いた、これいい、あれやりたい、今度やろう、あの曲知ってる? 彼のライブ行った、うまくてビックラこいた、嗚呼もっと練習しなくちゃ、そういえば誰々の新譜買った? 今度、こういう路線の曲もやろうよ

だいたい、とりとめもない音楽談義が延々と続く。
それが楽しい。

そこから、ライブの選曲や、練習する曲がなんとなく決まってくる。

もちろん、クルセイダーズのメンバーたちは、我々アマチュアバンドが居酒屋で交わすような会話をしていたのかどうかは分からないが、きっと、しているはず(笑)。

というのも、クルセイダーズのこのライブ盤を聴いていると、音楽する楽しさが、いや、バンドやってる楽しさが演奏から伝わってくるんだよね。

ジョー・サンプルのピアノがこのバンドの肝ではあるが、私は、バスター・ウィリアムスのベースも結構好き。

記:2009/01/12

album data

AT THE LIGHTHOUSE '68 (Pacific Jazz)
‐ The Jazz Crusaders

1.Ooga-Boo-Ga-Loo
2.Eleanor Rigby
3.Native Dancer
4.Never Had It So Good
5.The Emperor
6.Impressions
7.Cathy The Cooker
8.Shadows
9.Tough Talk
10.Third Principle

Wayne Henderson (tb)
Wilton Felder (ts)
Joe Sample (p)
Buster Williams (b)
Stix Hooper (ds)

1967/11/10-13

 - ジャズ