リヴィング・ソウル/リチャード・グルーヴ・ホームズ
2021/02/07
貫禄オルガン!
リチャード・グルーヴ・ホームズが全身から放出するコテコテオルガンはベテラン、大人(たいじん)の貫禄。
スケールの大きな安定したプレイ。
ダイナミックに盛り上げるベテランの手腕。
とくに、ハーレムのライブハウス「カウント・ベイシーズ」でのライブを収録した『リヴィング・ソウル』は、客席からの熱狂的なリアクションからも分かるとおり、ライブの熱気、客を沸かす術を身に付けたリチャード・グルーヴのオルガンを楽しめるはずだ。
スタンダードもソウルテイスト
面白いのは、音程をひん曲げてぐにゃぁ~とベンドさせるのが非常に巧みだということ。
「ここぞ!」というところで繰り出される音程のベンドは、身体が内側から裏返るような快感がある。
さらに、演奏レパートリーも面白い。
《イパネマの娘》に《オーバー・ザ・レインボウ》。
え、なぜに、こんなに美しい旋律のスタンダードを?!
しかし、演奏を聴くと、う~ん、全然、ボサでもスタンダードでもない。
まるで、リチャード・グルーヴ作曲のソウルナンバーのよう(笑)。
とはいえ、《オーバー・ザ・レインボウ》なんかは客席から口ずさむ声が聞こえてくるので、きっと彼のオルガンパワーに陶酔したお客さんなのだろう、うーん、良いライブだったんだよな~というのがライブハウスの「空気の音」からも伝わってくる。
自在にダイナミクスに緩急をつけながら、こなれた演奏で、にくたらしいぐらいに巧みに聴かせてくれるグルーヴ・ホームズのオルガンは、やっぱり場慣れした男にしか出せない安定感と貫禄だよな~。
アーシーさ、泥臭さ、ソウルフィーリング、コテコテっぷり。
これらすべてがバランスよく共存したリチャード・グルーヴ・ホームのオルガン、ご堪能あれ!
記:2004/02/22
album data
LIVING SOUL (Prestige)
- Richard "Groove" Holmes
1.Living Soul
2.Blue For Yna Yna
3.The Girl From Ipanema
4.Gemini
5.Over The Rainbow
Richard "Groove" Holmes (org)
George Randall (ds)
Gene Edwards (g)
1966/04/22