ブラウニーから遡り、ナヴァロに開眼!

   

言葉の知識というか、言葉による鑑賞の手助けというものは、ジャズの場合は有効なこともあります。

むかし、むかしのこと。
私、あまりファッツ・ナヴァロのことを積極的に聴こうという気がおきなかったんですね。

もちろん、バド・パウエルの『アメイジング』に収録された《バウンシング・ウィズ・バド》、《ウェイル》、《異教徒たちの踊り》、《52丁目のテーマ》などはよく聴いていたんですが、彼のリーダー作には積極的に手が伸びなかった。

CD棚の肥やしになっている時代が長らく続きました。

ジャケットがなんだか怖い感じがした、ということもあります。

しかし、『クリフォード・ブラウン―天才トランペッターの生涯』というブラウニーの伝記を読む機会がありまして、その本には、いかにブラウニーは、ファッツ・ナヴァロのことを敬愛していたかということが繰り返し書かれていたんですよ。

あの、メロディアスで安定感のあるフレーズを吹くブラウニーに影響を与えたトランペット奏者となると、クリフォード好きな私にとっては、無視できない存在となり、おそるおそるブルーノートの第一集に手を伸ばして聞いてみると、なるほど、なるほど、メロディアス。

ジャケットのイメージと、パウエルと丁々発止なやり取りを繰り広げたビバッパーというイメージと先入観から、ケタタマしいトランペットを吹くだけの人という誤った固定観念は、見事に粉砕されました。

いいですよ~、ナヴァロ。

かつての私のようにナヴァロに対してネガティヴなイメージを抱いていた方は、聴きやすく代表作でもある『ノスタルジア』だけではなく、是非、ブルーノート盤のほうも改めて聴いてみてください!

記:2015/03/11

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