ポートレイツ・オブ・デューク・エリントン/ジョー・パス

この素晴らしきテクと味わい

おそらく音色の影響が大きいと思うのだけど、「ジョー・パス理解」には、ギタリストと、ギタリスト以外の人には時間差があるようですね。

ギターをやっていない人からすると、最初はオシャレかつムーディなギターに感じ、次第に、その滋味あふれるサウンドから、
懐の深いギタリスト
⇒じつは凄いんじゃないか?
ということに、だんだん気付いていく。

しかし、ギターをやっている人にとっては、たとえジャンルがメタルでもプログレでも(むしろメタルでやプログレ志向の人のほうが?)一聴、「このギター、タダモノではない!」と気付くようです。

以前、バンドを組んでいたギタリストも、高校生時代はヘヴィメタルのバンドを組んでいて、さらに、ギターの腕を上げるためにジャズスクールのギターコースに入学したのですが、そこで聴いたジョー・パスの虜になってしまい、以来、メタルをやめて、ジョー・パスやボビー・ブルームといった渋いギタリストの研究、練習に明け暮れるようになりましたから。

ジョー・パスのギターの凄さは、やはり代表作の『ヴァーチュオーゾ』が良いのでしょうが、アンサンブルの中での「巧」っぷりを知るには、エリントンのナンバーに取り組んだ『ポートレイツ・オブ・デューク・エリントン』もオススメ!

パブロらしいモノクロのジャケット。
良いムードですなぁ。

もちろん演奏も極上。

常時、鼓動を送り続けるレイ・ブラウンの「心臓」があるからこそ、パスのギターは脈打っている。

もちろんギターソロの『ヴァーチュオーソ』も良いのだけれども、やはりベースとドラムが加わると、演奏はひと味もふた味も異なってくる。

同じギターでも、ソロの時と比べると、とても生き生きと脈打っている。

それがよろし。

しかも、いぶし銀なギターワークはそのままで。

まさに熟練したプロの味わい。

エリントン・ナンバーでは有名な《サテンドール》や《メロウ・ムード》、そして《キャラヴァン》など、同じみのナンバーを披露しているけれども、誰もにとって聴きなれたナンバーだからこそ、パスの味わい深さが分かりやすく際立ってくるんじゃないかな。

ジャズギター初心者にとっては「これぞジャズギター」と胸を張って薦めることが出来るし、ギタリストにとってみれば「この技術、この味わいこそが永久目標なのだ」とロックオンされること必至の素晴らしいアルバムです。

記:2015/03/10

album data

PORTRAITS OF DUKE ELLINGTON (Pablo)
– Joe Pass

1. Satin Doll
2. I Let A Song Go Out Of My Heart
3. Sophisticated Lady
4. I Got It Bad (And That Ain’t Good)
5. In A Mellow Tone
6. Solitude
7. Don’t Get Around Much Anymore
8. Do Nothin’ 'Till You Hear From Me
9. Caravan

Joe Pass (g)
Ray Brown (b)
Bobby Durham (ds)

1974/06/21

ジャズ

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