北極ゴッグ(旧キット1/100)
タミヤアクリル筆塗り
少し前に旧キット1/100のゾゴックを作ったのですが、「安い・早い・デカい」で、すごく良い気分だったんですよ。
>>ズゴック風ゾゴック ジャブロー攻略戦仕様(1/100)完成!
安い、は、もちろんお値段。同じ1/100でも、MG(マスターグレード)だとお値段高いですからね。
早い、は、制作時間で、1日あれば余裕で完成まで持っていける。同じ1/100でも、MGだと、少なくとも1週間はかかることを覚悟しなければならない。
デカい、は、もちろん大きい。1/100という、MGと同じ大きさではありますが、MGのような精巧さやシャープさはなく、いかにも昔のプラモですといったノッペリとした感じが、逆にオマヌケな感じも漂い、そこが可愛くて良いんですよね。
なので、ゾゴックに次いで作るべき旧キットといえば、やっぱりゴッグでしょう。
先ほどオマヌケなどと書いてしまいましたが、旧キットのゴッグはさにあらず。
これが発売された時の私は中学生でしたが、模型店店頭のショーウィンドウに飾られていた1/100ゴッグのジオラマを今でも鮮烈に思い出すことが出来ます。
限りなく白に近いグレーで塗装されたゴッグが片足だけ海から上陸している情景だったのですが、これがまたリアルで、ゴッグの巨大でゴッツい感じがとてもリアルに表現された迫力ジオラマだったのですね。
ホワイトグレーなゴッグの姿は、それはそれはシャープで、とてもとてもオマヌケだなんて言葉は似合わない。
圧倒的なボリュームが醸し出す存在感、そして今にも自分が立っているアスファルトの道路が踏みつぶされて、周囲の道路が一面ひび割れだらけになってしまうのではないかという恐怖感をそのジオラマからは感じることが出来ました。
なにせ、40年くらい前の話なので、かなり記憶が増強されている可能性もありますが、それでも水あかのついた白いゴッグのボディはかなり印象的でしたね。
なので、今回はそのイメージに近づけるべく、白色ゴッグを作ってみました。
旧キットのランナーは、なぜ1枚だけビニールにはいっていないキットが多いのだろう?
ランナーは3枚。
なんとまあシンプルなことよ。
一気に作って、一気に塗って、一気に汚したら、こうなりました。
今回はサーフェイサーは吹いていません。
いきなり筆塗りです。
タミヤのアクリルミニをプラスチックの地肌が塗りつぶれるまで、何度も何度も塗っては乾かし、塗っては乾かしをこまめに繰り返しました。
とはいえ、水溶きアクリルで塗り、ドライヤーを使えば、かなり早く乾いてくれます。もちろん温風モードではなく、送風モードでね。
風さえあたれば、溶媒となる水はすぐに乾燥するので、塗料の乾きも早いのです。
フラットブラック、NATOブラック、フラットブラウン、ハルレッドなどをプラスチックの地肌が出ているところを筆でちょんちょんと置くように塗っていきました。
この作業を5~6回繰り返せば、おおむねプラ地は隠れてくれます。
一番時間のかかる作業ではありますが、地道にコツコツと塗り重ねていきます。
この作業が終了したら、基本色と定めたスカイグレーを水溶きアクリルで何層も塗り重ねていきます。
海の兵器なのに空のグレーというのも変ですが、まあいいではないですか。
濃いグレーの個所は、ジャーマングレー、ダークグレー、ニュートラルグレーと少しずつ明るい色にして塗り重ねていきました。
スカイグレーに関しても、少しずつフラットホワイトと水を加えて薄めた状態のものを幅が広い平筆で薄く何層にも塗り重ねていきました。
これが乾燥したら、Mr.ウェザリングカラーのマルチホワイトとマルチグレーの混色でフィルタリング。
筆の刷毛後や、露骨すぎる塗料の明度の段差を誤魔化していきます。
それでも、やっぱり筆ムラは消えないところは消えませんね。
半乾きの状態の上から、油彩のバーントシェンナ、ピーチブラック、カドミウムオレンジなどを窪んだ個所を中心に塗り、ターペンタインを含ませた筆でグリグリと伸ばしていきました。
可動するモノアイは、ラッカー系のピンクを塗り(その前にニュートラルグレーを下塗り)、乾いたらタミヤアクリルミニのクリアオレンジを水で薄めて、塗り重ねています。
水陸両用モビルスーツなので、陸にいる時間もあるでしょうが、海にはいれば表面の汚れは流されてしまうでしょうから、凹んだ個所にのみ汚れが溜まっているロールアウトしてからまだ間もない新型ゴッグというイメージです。
『ポケットの中の戦争』に登場するジオンのサイクロプス隊の中に、ゴッグが混ざっていれば、きっとこんな色だろうなと勝手に思っています。
なにせ襲撃する連邦軍の基地の所在地は北極ですからね。
北極が戦場になるのであれば、こんな色でも良いんじゃないかと。
いわゆる「北極ゴッグ」ですな。
後ろ姿。
もういっちょ。
さらに腕収納バージョン。
大昔、模型店の店頭で見たゴッグのイメージとはだいぶ違う仕上がりになってしまいました。
色は同じでも、模型店店頭に飾られていたジオラマのゴッグのイメージを「ウェット」だとすると、私が塗ったゴッグは「ドライ」な表面ですからね。
水で薄めたタミヤアクリルは、マット感がキツくなります。
強めのつや消し独特のカサカサした感じが、独特といえば独特。
ただし、数日は海に潜ってないよね?という状態でもありますね。
北極ゴッグというより、アルビノゴッグという表現のほうが適切なホワイト感かもしれません。
朝から制作を開始して、夜にはこの状態までもっていけるのですから、旧キットはいいですね。
気軽に作れ、あっという間に完成にまでもっていける。
予定を入れていない休日の暇つぶしにゴッグはいかがですか?!
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記:2020/06/18
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