映画「音響ハウス Melody-Go-Round」を観てきました。
錚々たる音楽家に愛された錚々たるスタジオ
先日、映画『音響ハウス』を観てきました。
感想は、動画でも語っているので、よろしければご覧になって(お聞きになって)くださいませ。といっても、そうたいしたことを言っているわけではないのですが……(汗)。
銀座にある「音響ハウス」、名前だけは、なんとなくどこかで聞いた記憶があるため、おぼろげながら知ってはいたのですが、まさか、こんなに錚々たる日本を代表するミュージシャンたちが使い、そして愛されているスタジオだとは知りませんでした。
なにしろ、坂本龍一、矢野顕子、ユーミン、松任谷正隆、佐野元春、デヴィッド・リー・ロスなどが好んで使っていたスタジオですからね。
そして、このドキュメントに出演し、実際に演奏を繰り広げたり、インタビューに応える人たちも、錚々たる方々。
佐橋佳幸、飯尾芳史、高橋幸宏、井上鑑、滝瀬茂、坂本龍一、関口直人、矢野顕子、吉江一男、渡辺秀文、沖祐市、川上つよし、佐野元春、デビッド・リー・ロス、綾戸智恵、下河辺晴三、松任谷正隆、松任谷由実、山崎聖次、葉加瀬太郎、村田陽一、本田雅人、西村浩二、山本拓夫、牧村憲一、田中信一、オノセイゲン、鈴木慶一、大貫妙子、HANA、笹路正徳、遠藤誠、河野恵実、須田淳也、尾崎紀身、石井亘……。
で、内容や感想は、書きだしたらキリがないので、このドキュメントフィルムで、面白いなぁというか、気になったことをいくつか列挙して終わりたいと思います。
まずは、葉加瀬太郎のレコーディングシーン。
それほど長い尺が使われているわけではありませんでしたが、なーんか、いい感じでしたよね。
ヴァイオリンの音に体重を乗せて弾いているというか、ようするに音が脈打っていましたね。
それと、キーボードの井上鑑のもみあげ?、それとも側面の髪が伸びているだけ? よくわからんのですが、レコーディング中、ヘッドホンをしている時の、井上鑑のヘッドホンから膨大にはみ出た「横髪」の分量の多さが、いったん気になると、目を離せなくなり、劇中、いたるところで登場するのですが、エレピで奏でる美しい音色とハーモニー以上に髪の毛ばかりが気になってしまったという。
なんとなくですが、シュガーベイブの『ソングス』のジャケットを描きデザインしたプロモデラーの金子辰也氏を彷彿とさせるヘアですな。
あと、この映画のモチーフとなる曲、《Melody-Go-Round》は、とても良い曲だと思うんですが、特に80年代に多感な時期を過ごしたかつての少年たちの日本の先端ポップスを愛好していた血が騒ぐメロディ、アレンジ、進行、歌詞だとは思うのですが、どこかで聴いたAメロだなぁと思ったら、そうそう、矢野顕子の《デヴィッド》そっくりなんですよ。
いったん、これに気付くと、もう最後まで「デヴィッドモード」で耳を欹てている私がいて、いやいや先入観で味わっちゃいかんよと思いつつも、どうしても比較して聴いている私がいた。
リズムセクションといい、ブラスセクションといい、ヴァイオリンといい、それぞれのレコーディング風景は、短いとはいえ、なかなか面白かったです。
ただ、欲を言えば、このトラックのベースは打ち込みみたいなんですが、ベースも生演奏であって欲しかった。
そして、ベースのレコーディング風景があるともっと良いのに、と思った次第であります。
いずれにしても、YMOおよび、アッコちゃん、ユーミンなど、80年代にリアルタイムに愛聴していたかつての少年、いまオジさんには、ぐさぐさ刺さりまくる要素がふんだんに散りばめられた映画なのではないかと思いました。
記:2020/11/18