オージー・イン・リズム vol.2/アート・ブレイキー
ブルーノート初のスタジオ録音
アルフレッド・ライオンという強力な後ろ盾がついた、アート・ブレイキーによる壮大なる実験、かつ野心作の第二弾が『オージー・イン・リズム vol.2』だ。
1957年3月7日の『オージー・イン・リズム』のレコーディングセッションで演奏されたナンバーは、とても1枚のアルバムには入りきらず、結果、『オージー・イン・リズム』の「vol.1」と「vol.2」に分けられて収録されることになった。
レコーディングは、いつものヴァン・ゲルダー・スタジオでは行われなかったが、録音技師はいつものヴァン・ゲルダー。
あまり知られてないようだが、このアルバムはブルーノートでは初のステレオ録音だったのだ。
まだまだ続く「狂気」
この2枚の壮大なる実験作、セールス的には「惨敗」だったようだ。
まったく、と言って良いほど売れなかったようだ。
しかし、ライオンにとってもブレイキーにとっても、レコーディングは満足すべき内容だったに違いない。
いや、ますます「リズムへの興味」に火がついたのかもしれない。
贅沢な人数の打楽器群と、最小限のメロディ楽器。
このレコーディングで、彼らは音楽的にもなにがしかの手ごたえを得たのだろう。
このレコーディングから1年と半年後。
今度は、またしてもの2枚組のリズムの饗宴アルバム『ホリデイ・フォー・スキンズ』を録音してしまうのだから。
『オージー・イン・リズム』は「ライオンの狂気」と揶揄されたらしいが、「狂気」は始まったばかりだったのだ。
記:2011/01/19
album data
ORGY IN RHYTHM VOL.2 (Blue Note)
- Art Blakey
1.Amuck
2.Elephant Walk
3.Come Out Ant Meet Me Tonight
4.Abdallah's Delight
Art Blakey (ds,vo)
Jo Jones (ds,tympani)
Charles 'Specs' Wright (ds,tympani)
Carlos "Patato" Valdes (congas)
Jose Valiente (congas)
"Sabu" Martinez (bongos,timbales,vo)
Ubaldo Nieto (timbales)
Evilio Quntero (concerro,maracas,tee log)
Herbie Mann (fl)
Ray Bryant (p)
Wendell Marshall (b)
1957/03/07
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