パリ・ジャム・セッション/アート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズ
バルネ・ウィラン
久々に『パリのジャムセッション』をかけたら、どこかで聴いたことのあるようなアルトサックスの音色がした。
ちょっとつまった感じと、熱に浮かされた感じ。
「え?マクリーンって参加してたっけ?」と思ってパーソネルを見ると、なんと、アルトを吹いているのは当然のことながらジャッキー・マクリーンであるはずもなく、なんとバルネ・ウィランだった。
気がつかなかった。
しかも、テナーではなく彼は昔はアルトも吹いていたんだということも新発見。
10年も前から聴いているアルバムなのに、不覚にも気がつかなかった私は、いったい今までどこをどう聴いていたのだか。
バド・パウエルが参加
この傑作アルバム『パリのジャムセッション』は、パウエル・ファンにもたまらない一枚だと思う。
基本的には、当時のアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのメンバーによる演奏だが、最初の二曲にはパウエルが参加しているのだ(ついでにバルネも)。
参加しているのは両曲ともパウエルのオリジナル。
《異教徒たちの踊り》と 《バウンシング・ウィズ・バド》だ。
両方とも初期パウエルの代表的な傑作ナンバー。
テーマ部のアンサンブルを聴いていると、フロントは曲のメロディを未消化だったりする箇所もあるが、気になるほどではない。
ブレイキーはさすがの貫禄、曲をよく理解している。盛り上げるところは大いに盛り上げる好サポート。
彼の快調なサポートに支えられて、淡々とフレーズを紡ぎ出すパウエルのピアノに耳が引き付けられる。
チュニジアの夜
このジャムセッションは、ジャズ・メッセンジャーズが1959年に2度目の欧州ツアーを行ない、パリでの模様最終公演の模様を収録したものだ。
ラストの《チュニジアの夜》が圧巻。
ブルーノートから出ている同名タイトルアルバムと同じアレンジではあるが、こちらの演奏のほうがクドくなくて良い。
スピード感もあるし。
リー・モーガンの好演も光っている。
この『パリ・ジャムセッション』は、再生するたびに「ああ、俺は今ジャズを聴いているんだなぁ、ジャズってやっぱりいいよなぁ~」という感慨に浸れる素晴らしいアルバムなのです。
記:2003/04/30
album data
PARIS JAM SESSION (Fontana)
- Art Blakey
1.Dance Of The Infidels
2.Bouncing With Bud
3.The Midget
4.Night In Tunisia
Art Blakey (ds)
Lee Morgan (tp)
Barney Wilen (as) ※only on #1 & #2
Wayne Shorter (ts)
Bud Powell (p)※only on #1 & #2
Walter Davis Junior (p)
Jimmy Meritt (b)
1959/12/18