チャーリー・パットン~スクラッチノイズの向こう側に広がる深い世界

   

戦前ブルースばかり聴いている

最近は、戦前ブルースを聴いている時間が多いです。
というより、戦前ブルースばかり聴いているかもしれない。

時々あるんですよ、戦前ブルースばかり聴きたくなる時期が。

特に、チャーリー・パットンを聴く頻度が高いですね。

スクラッチノイズの向こう側

チャーリー・パットンの音源は1929年や34年の録音がほとんどなので、当然音は悪いです。

肝心な歌声やギターよりも、スクラッチノイズのほうが大きい曲も珍しくはありません。

しかし、ノイズの向こうから聴こえてくるたしかな音楽の息遣い、表現の骨太さは、時代を超えてこちらに確かな手ごたえとして伝わってきます。

時折「ガツン!」とくることすらあります。

良い音だけが良い音楽とは限らないのだ

ここのところむしょうに戦前ブルースを聴きたくなるのは、季節柄、ということもあるでしょう。

しかし、それ以上に、「良い音」を至上とするオーディオマニアへの反動もあるのかもしれない(笑)。

どんなに録音が悪くても、劣悪な再生装置でも、ちゃんと芯の通った音は耳と脳が正常に機能していれば、確実に聴き取れること。

そして、人間の脳には、聴きたいものを抽出&補正して感じとれるだけの
すぐれた脳内イコライザがあるんだということ。

このようなことを身を持って再度自分の中で実感したいのかもしれない。

慣れてくると、ノイズのマスクがサーっと取れてゆき、視界には広大なミシシッピデルタと、アメリカ南部の息遣いが聞き取れる。

……ハズなんだけどなぁ、きっと誰でも。

ちなみに、私が聴いているチャーリー・パットンの音源は、こちら。

このCD3枚入りのコンプリートを愛聴しているけど、いきなり3枚はディープ過ぎる!という人には、コチラが入門としてはおススメかも。

こちらは、サンハウスのブルースも入っているので、戦前ブルース初心者で、色々なブルースマンの音源を幅広く聴いてみたいという人にはお勧めです。

サンハウスのガッツーン!も強力です。

ノイズの有無は関係なく伝わってくるものは伝わってくるのです。

記:2009/03/12

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