黒い!カッコいい!チャールズ・トリヴァーのトランペット!

      2021/02/18

「!」だらけのジャケットが印象的なブルーノートの『イッツ・タイム』。

これ、ジャッキー・マクリーンのアルバムなんだけれども、トランペットのチャールス・トリヴァーも輪をかけて良いんですよね。

数年前に、ようやっと気がついた(笑)。

いやぁ、黒い!
黒いぞトリヴァー、カッコいい!

そして、ベースもセシル・マクビー。

マクビーのベースも重くて黒い!

この時期のトリヴァーのトランペットと、マクリーンのアルトサックスは、「ジャズ的黒さ」をお求めの方には、うってつけの組み合わせだと思います。

以前、渋谷の某ジャズ喫茶に通い詰めだったことがあるのですが、そこのマスターが「黒い」ジャズが大好きで、よくチャールス・トリヴァーが参加しているレコードをかけていました。

すごくセンスの良い店内のレイアウト、インテリア、そして選曲。
かかる音源のほぼすべてがレコード。

かかるレコードのいちいちが、肩こりをほぐしてくれるような、黒くてバネの効いた柔軟なリズムセクションと、重さに微量な甘さが加わったエネルギッシュなホーンのものが多くて、店内に一日中いてもまったく飽きないほどの良質空間でした。

そういえば、ヒューストン・パーソンを知ったのも、このお店でしたな。
(もっとも、この店で聴くヒューストン・パーソンはカッコいいんだけど、自宅で聴くヒューストン・パーソンは、なんだか演歌サックスに聴こえてしまいましたが……)

そこで、かかるトリヴァーを聴いていると、最初は馴染めなかった彼のトランペットですが、聞いているうちにだんだんと独特のコクが分かるようになってきました。

で、そういえば、マクリーンとも演っていたなと思い、自宅のCD棚から『イッツ・タイム』を取り出して久々に再鑑賞してみたわけです。

マクリーンが何か新しいことをやろうというエネルギーに満ちたこのアルバム。
どうしても、マクリーンのアルトのほうに耳がいってしまいがちなのですが、トリヴァーを聴くぞ!と気合いを入れると、アルトサックスよりもトランペットばかりが聴こえてくるから不思議です。

マクリーンの「何か新しいことやるぞ~!一生懸命演奏するぞ~!オイラの気迫を受けてみろ~!」的な熱気と、その熱気をもうすこしクールにトーンダウンをさせたトリヴァーの相性は抜群です。

重すぎず、ドロドロと黒く沈むほど黒くなく、エネルギッシュでスピード感もある。

もうこの絶妙な按配は、形容しがたいほどの心地よさ。

聴くなら、ぜひぜひ大音量で!

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