遅く演奏したら、どれくらい「しみじみ度」が増していただろう?/《リカード・ボサ》ハンク・モブレイ

   

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人気曲をもっとスローで演奏すると?

ハンク・モブレイの代表作とされる《リカード・ボサ》。

皆さんがご存知のとおり、ブルーノートから出ている『ディッピン』に収録されているナンバーだよね。

こおれ、たしかに、しみじみとくる名曲なんだけれども、よく聴くと(よく聴かなくても)、結構テンポ速いんだよね。

これを、もっと遅いテンポでしみじみと演奏したら、どんな内容になっていただろうと、想像をめぐらせる私。

けっこうしみじみと「聴ける」内容になったのではないかな?

もっとも、ハンク・モブレイは、日本人の間では人気の高い《リカード・ボサ》のレコーディングのときのこと、覚えていなかったらしい。

数あるセッションの中のひとつとして、サクッと演奏して、あとは忘れちゃったのかもしれない。

そういえば、バド・パウエルの《クレオパトラの夢》も似たようなエピソードあるよね。
パウエルもあんまりあの曲のこと覚えてなかったようで。

ミュージシャン本人が印象に残っているセッションと、日本人の琴線に触れる演奏とは微妙に乖離があるようだ。

日本人が制作し、ジャズマンに演奏させる曲は判を押したように《枯葉》、《マイ・ファニー・ヴァレンタイン》が多いが、演奏するジャズマンは、心の中で「やれやれ」と苦笑いをしていたのかもしれないね。

記:2008/12/18

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