西太后秘録 近代中国の創始者/ユン・チアン
2018/01/12
西太后。
日本では「悪女」のイメージが根強いかもしれません。
なにしろ「世界三大悪女」の一人と言われていますからね。
それにプラスして、清王朝を滅ぼした元凶であるというイメージがあるんでしょうね。
しかし西太后がいなければ、清帝国は、もっと早く欧米列強から食い物にされてもっと早く滅びていたかもしれません。
彼女は帝国を延命するために尽力した一人でもあるのです。
列強がたくらむ植民地化を阻んだという実績も忘れてはいけません。
彼女は死ぬ直前まで政令を出し続けたといいます。
ですので、頭を使う仕事をしていたから、すなわち容貌も若々しかったのでしょう。
70歳を超えても、若さを保っていたため、民衆からの支持も厚く、北京ではブロマイドまで売られていたそうです。
西太后が亡くなった後、彼女の墓は蒋介石率いる中華民国の軍隊によって盗掘に遭い、荒らされてしまいます。
ちなみに、愛新覚羅溥儀が、日本軍から満州国の執政の座に就かないかとオファーを受けた際、彼がその打診を受けいれたのは、先祖の墓を暴くような中華民国は信用できないと言う思いがあったと言われています。
世界三大悪女の一人とされ、「残虐非道の女帝」のイメージがつきまとう西太后(慈禧大后)。だが、実は当時の4億人の民を率い、47年にわたって統治を続け、中国近代化の基礎をつくりあげた、辣腕の政治家だった。
そうユン・チアン(『ワイルド・スワン』や『マオ』の著者)が綴る中国の真実。
これは、一読の価値アリです。
あなたの西太后観が変わるかもしれない。
ん?!「西太后観」など、はなから持ち合わせていないですと?!
では、これを機会に歴史の勉強、勉強!
まずは、溥儀が主人公の『ラスト・エンペラー』から観る?!
記:2015/03/06