ホット・ハウス・フラワーズ(スターダスト)/ウィントン・マルサリス

   

ブラウニーもウイントンも若くしてこの円熟味

アルバムタイトルは『ホット・ハウス・フラワーズ』なんですが、なぜか邦題が『スターダスト』のこのアルバム。

ウイントン22歳の時の円熟トランペットが味わえるアルバムです。

素晴らしいというか、完成され過ぎてしまっていて、もう、イヤになっちゃう。

22歳のウィントンが、ストリングスをバックに、こんなに円熟したトランペットを吹くとは……!

円熟トランペットって書いたけど、22歳の「青年」に「円熟」なんて言葉、似合わないよな~。

もちろん、ブラウニー(クリフォード・ブラウン)の『ウィズ・ストリングス』がベースにあった上での、発展表現には違いないのだけど、この深みと奥行きはタダごとではないですね。

自分が22歳の時、なにやってたんだろうと振り返ると、恥ずかしすぎて穴があったら入りたいくらいです。

と同時に、音楽って必ずしも経験値がモノをいう世界ではないのだなぁ、とも。

特に、身体の延長線上にもっとも近い楽器のひとつトランペットに、とりわけその傾向が強いような気がしますね。

記:2015/07/10

album data

HOT HOUSE FLOWERS (Columbia)
- Wynton Marsalis

1.Stardust
2.Lazy Afternoon
3.For All We Know
4.When You Wish Upon a Star
5.Django
6.Melancholia
7.Hot House Flowers
8.I’m Confessing (That I Love You)

Wynton Marsalis (tp)
Branford Marsalis (ss,ts)
Kenny Kirkland (p)
Jeff 'Tain' Watts (ds)
Ron Carter (b)
Kent Jordan (alto-flute)
Robert Freedman Orchestra

1984/05/30-31

 - ジャズ