スティングはもともとデキシーランドのバンドでベースを弾いていた
2021/12/28
スティングといえば、「ポリス」のヴォーカル兼ベーシスト、つまりはロック畑のミュージシャンのイメージが強いと思うし、多くの音楽ファンがそのような認識なのだろうけれども、じつは、彼は「ポリス」結成前は、ディキシーランド(デキシーランド)のバンドでベースを弾いていたということはあまり知られていない。
彼の特徴あるシンプルで分かりやすいベースラインは、おそらくはデキシー・ランドのバンド時代に育まれた感性によるものなのかもしれない。
また、彼のジャズ好きが興じて作られた『ブルー・タートルの夢』や、『ナッシング・ライク・ザ・サン』は、ジャズファンの間でも有名なアルバムだろう。
なにしろ、サックスにブランフォード・マルサリス、キーボードにケニー・カークランド、ベースにダリル・ジョーンズ、ドラムスにオマー・ハキムというそうそうたる面子を起用し、クオリティの高い演奏繰り広げたので、ロックファンのみならず、ジャズファンからも熱い注目を浴びたことは記憶に新しい。
ダリル・ジョーンズは、マイルスのバンドで一時期ベースを弾いていたんだけど、スティングのバンドに移ったときに、マイルスは「クソっ!」と言ったとか言わなかったとか。
また、ブランフォードもマイルスのアルバムのレコーディングに参加していましたね。
そうそう『デコイ』。
なかでも『ナッシング・ライク・ザ・サン』に収録されている《イングリッシュマン・イン・ニューヨーク》は、メロディを聴けば「ああ、あの曲ね」と思いだす人も多いことだろう。
そして、多くのジャズファンにおすすめしたいのは、上記2枚以上に、彼らジャズマンが奔放に演奏を繰り広げるライブ盤の『ブリング・オン・ナイト』だろう。
これはもうジャズ、ロック、フュージョンなどの垣根を軽く飛び越えた、徹底的にノリノリで快楽的な演奏の数々だ。
音楽好きの万人におすすめしたい名盤!
そういえば、以前、某ジャズ喫茶にて、私の知り合いが、『ブリング・オン・ナイト』好きなんだよってことをマスターに話したら、マスター、「うん、わかってるね!」と嬉しそうな顔をしていたことを思い出す。
記:2000/03/25